自衛隊元狙撃教官が語るスナイパー育成法

自衛隊元狙撃教官が語るスナイパー育成法

 

 

スナイパーの適正

 

 松岡氏からスナイパー要員、チームを選定する考え方を聞いた時、周りと上手く助け合い、チームを支えていくことができ、全体を俯瞰できるタイプで人間性に優れている人物を選定するという答えが返ってきたのが意外でした。

 単独で驚異的な能力を発揮したスナイパーの任務を達成するようなメンバーを選定すると思っていたからです。

 俺が俺がというのではなく、一歩後ろに引き全体を冷静に確認し、全体を俯瞰することができるタイプであり、準備を周到に行い、我慢強く集中力を切らさず、目的を達成する人物を選定することを聞いて、「!!」となりました。スカウト要員の選定条件とほとんど同じだからです。

 スカウト訓練では、1カ月ほど自然豊かな演習場で仲間とともに行動をして、まず、信頼感を醸成しチームとして四六時中協力し合うということを重視して訓練を行います。もちろん、「ストーキング」、「トラッキング」、「サバイバル」、「マーシャルアーツ」などの固有の戦闘技術を学びますが、まず、チームが安定していることから始めます。チーム内に違和感があれば、それが波紋となって敵に発見される兆候になり、また、自然に溶け込む穏やかさを保持することができないからです。

 

 

狙撃教官の功績

 

 松岡氏は、スカウト要員とは異なるものを持っているところが大きく違います。ほとばしる情熱と探求心です。ともすれば、「俺が俺が」のタイプが保有する資質ですが、松岡氏の場合、ぐいぐい引き込むようなものではなく、柔らかく心地よくその雰囲気(環境)へ導き、人が集まるものを持っているのです。

 そして、武道が道を究めるため、技術がいくら向上しても、その上がある、できないことだらけであると道を探求するための修行をしていく姿があります。

 私は、松岡氏が陸上自衛隊を辞めずに、狙撃に注力し続けたことが陸上自衛隊の狙撃分野の基礎を作り上げたのだと思います。彼から狙撃を伝授されたスナイパー達は、これから多くのスナイパーを育成するはずです。彼の定年が延長され、2年間狙撃教官を続けたことの成果は、これから彼の弟子たちがその正しさと大きさを示すでしょう。

 

 

二見龍レポート#13 自衛隊の元狙撃教官が語るスナイパーの育成方法


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