2021年に無事羽化した成虫の大きさは、オスが83ミリ、メスの55ミリが最大の記録となりました。
オスの83ミリは、幼虫の体重が36gあったため、もう少し大きさが出るのではないかと期待しましたが、きれいな成虫ですがあと2ミリ欲しかったというところです。
メスは、幼虫の体重が17gあったため、こちらもあと2ミリ欲しかったところです。
今回最大の大きさを出した血統は、同じ血統でした。
この血統は、幼虫の体重は重くなるのですが、成虫の大きさへなかなか反映されない性質を持っているのが累代飼育のデータからわかっていたので、あまり幼虫を取らないようにした2軍的な位置づけの血統でした。
前回は、羽化した成虫の大きさが75ミリを中心とした状態で今一つであったのですが、今年はこの血統がどれも大きさが出てきているので、マット飼育3年目となりマット飼育に順応してきたのではないかと考えられます。
今年は、軒並み明日の羽化不全が発生してしまった年となりました。
メスの羽化不全はめったにならないのですが、メスも40%以上の羽化不全が発生し、18gの期待のメス幼虫、16g×4頭が羽化時にうつぶせの状態になれないまま、羽化が始まってしまい成虫になれないという状態となってしまいました。
オスに至っては、60%が羽化不全となりました。
32~33gの幼虫が軒並み成虫までなれない状況となりました。
その多くはメスと同様で、羽化時にうつぶせの状態になれないまま、仰向けで羽化が始まってしまった状態でした。
辛うじて、81ミリのオス×4頭は確保できたという結果となりました。
大きくなると羽化不全になりやすいのは当然ですが、今年は、明らかにそれ以上に羽化不全が発生してしまったので、原因を把握することにしました。
2020年12月の3回目の最後のマットの交換となる時の水分量を少し少なめに設定したところが問題だったと考えています。
マットを加水し過ぎてしまうと最後のマット交換(12月)から成虫(6月)になるまでの半年の期間中に天井が落下して蛹室を潰してしまうことや天井のマットの破片が蛹室の中に落ちてしまい、つるつるに仕上げた蛹室内にマットが障害物として多く存在して羽化不全の原因を作ってしまいます。
加水分解が進んで黒色になり崩れやすい状態に陥ります。
そのため、最近は、少し水分を押さえた状態で、最後のエサ換えをすることにしています。そうすると毎年10%程度の羽化不全ですんでいたからです。
マットの面白みにもなり、また難しさということにもなるのですが、水分を押さえると乾燥が進むと一気にカラカラになってしまう状態になります。
カラカラになると蛹室内は壁面をつるつるに仕上げることが難しく、うつぶせにひっくり返ろうとしても、乾燥したサラサラのマットがあるので蛹では動けないような状態になってしまいます。
今年の羽化不全は完全にこのパターンでした。
最後のエサ換えのマットは、マットを握った時塊ができるギリギリの状態にして、握ったマットを億と崩れてしまう程度にしたのが、去年の水分量でした。気象状況による乾燥の影響はあると思いますが、マットを置いても崩れない程度の水分量にすることが必要だったのではないかと考えます。
瓶の中の加水分解はほとんど進んでいないので、添加剤も少し押さえ過ぎてしまったのではないかという結論となりました。
今年の最後のエサ換えは、この教訓事項を反映させて行おうと思います。
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