採用と就職援護の仕事 -形だけの動作と、心から出てくる動作の違い-

採用と就職援護の仕事 -形だけの動作と、心から出てくる動作の違い-

 

 

感謝の気持ちの表わし方とは

 

感謝の気持ちは、どのような言葉や行動によって相手に伝わるものなのか、栃木県へ赴任する時、高速道路の車の中で考えていました。栃木県では、地域の人と連携したり県・市町村の協力を得ながら、自衛隊員の採用、就職援護、PRをする栃木地方協力本部で仕事をするからです。

栃木県は、日光、那須、鬼怒川、塩原という素晴らしい景色と温泉があり、田んぼや畑も多く自然がとても豊かな土地です。そのため、栃木県の第一印象は、日本のよき伝統的と素晴しい田園風景が残っている所というものでした。

 

 

神社はその土地を表す

 

小倉で勤務していた時に、人生について色々教えて頂いた先生が、「新しい土地に行ったら、近くの神社を参拝するといいですよ。

あなたが神社で感じたものが、その土地と人の特性を表します」と離任の挨拶に伺った時に話してくれました。

すぐに宇都宮の勤務場所から近い神社へ参拝に行くことにしました。

建て直した社務所から近代的なものを感じ、神社全体と高台から見える景色から伝統を大切にするキチンとしたものを感じました。

新しさと古さが同居している感じです。この印象は自分が在任間に知る栃木県にぴたり当てはまりました。

こんな経験があって、勤務する土地に行く度に神社を参拝して確認することにしています。

 

 

形だけのお酒の席-バリアの中に入れない-

 

市町村における自衛官の採用と就職援護は、首長、国会議員、県・市議会議員を始め、自衛隊協力会、父兄会、募集相談員等多くの組織と人々の協力を得て毎日の仕事を進めています。

地方協力本部の仕事は、地域の宴会や会合に行くことが多く、宴会・総会・講演会がとても重要な仕事であり、お酒の席では、地域の人へお礼を言いながらお酒を注いで回らなければならないと言われます。

 

最初、初めての土地、初めて会う人達で、どのような関係かもよくわからないまま、いつもありがとうございますと言いながら、お酒を注いで回りますが、「ありがとう」と言われるものの、表面的な感じのままで終始してしまい、その人たちの心に溶け込むことができないものを感じます。

更に、心から感謝をしておらずに、言葉と酒を注ぐ動作をしている自分に違和感を感じます。どのようにすれば、感謝を伝えられるのか、また、色々考えたりしました。

2年ごとの人事異動により地方協力本部のメンバーが変わるので、地元の人は、会合の時や宴席で、自分がどのような人物か確かめていて、初回は様子見だったと思いますが、心が通じないなという違和感が残りました。

 

多くの協力と支援を知る

 

毎日、県内の市町村をできる限り回り、各地区で活動している募集事務所の状況確認や学校訪問、講演をしたり、協力会の会合に参加し、協力関係を進めていきます。

少しずつ、地域の人達が、ボランティアで若者の人生を考えて職を進めたり、自衛隊を理解してもらう環境を地道に醸成したり、募集事務所のメンバーの活動の世話をしてもらったりと、本当に多くの協力と支援を受けていることがわかってきます。

自分達の活動は、地域の人と一体とならない限り上手くいかないことがわかります。更に、地域の人の協力の上に自分達の仕事が成り立っていることを理解できます。

 

 

自然にバリアはなくなる

 

1年が過ぎ、地域の人の愛情ある活動と一人一人の顔が重なるようになると、宴の席で「いつもありがとうごさいます」と言いながら、お酒を注いで回る時、いつもと自分の心が違うなと感じました。

心から一人一人協力している人へお礼を言いたい、お礼を言わなければならないという気持ちになり、「人間関係のパイプを拡大して頂き、募集が進みました」、「募集事務所の面倒を見て頂いてありがとうございます」等、自然にお礼の言葉が出ました。

その時、皆さんの顔がほころび、ニコニコしながら、「微力ですがこれからも頑張ります」、「たいしたことはできませんが、今夜は飲みましょう」、「このようにしてみたいと思いますがどうですか」と会話が弾み、笑いの溢れる雰囲気にいつの間にかなっていました。

 

この時、形や単なる言葉ではなく、心が大切であり、心から出た言葉が、相手の心へ注がれるものなのだということを学びました。

 

 

 

 

 

自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編: 敵に察知されない、実戦に限りなく特化した見えない戦士の育成
自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編: 敵に察知されない、実戦に限りなく特化した見えない戦士の育成

 

 

 

 

 

【kindle本が出ました】

 

二見龍レポート#2 コンバットメディックの照井資規、弾道と弾丸を語る
二見龍レポート#2 コンバットメディックの照井資規、弾道と弾丸を語る

 

 

 

 

二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談
二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談

 

 

 

40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術

 

 

本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準

 

 

『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
 人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
 読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界

 

 

オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
 日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
 オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。

 

 

 

オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~
オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~

 

 

マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
 本書により、マット飼育のコツを積み上げ、皆さんの目指すオオクワガタを作出して頂ければ幸いです。

 

関連記事紹介

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です