初めて自分の事をどのように見られているかを知る-尊敬する師団長から頂いた言葉-

初めて自分の事をどのように見られているかを知る-尊敬する師団長から頂いた言葉-

 

 

自分の事はわかっているようでわからない

 

面接では、あなたの長所と短所を説明して下さいと言われ、明朗温厚ですと答えたりしてきました。しかし、本当の自分というものはどのような人間なのか、どんなタイプなのか、どんな特性を持った人間なのか明確にわかりませんでした。訓練のレベル判定の時に、尊敬する師団長から頂いた言葉は、見事に自分の気づいていないところまで短い言葉で表現していました。自分か探し求めていた答えを頂いたという感じです。

尊敬する師団長は、人間を「味」で表現しています。そして、私も味、人間の味はどのようなものかを伝えてくれました。

自分を表現したり、説明すると自他ともになるほどと理解できるものは一体何か、45歳を過ぎても納得するものを得られないまま過ごしてきました。この年齢まで自分を真に理解できなかった状態に光を当てて頂いた感じです。

なかなか、自分自身ぴったりとした表現で表せないし、自分を他の人はどのようなタイプの人間だと思っているか、表面的なことはいえますが、真にどんな人間なのかわからないものです。

素晴らしい師団長は、その言葉を私に下さり、2年後癌によりこの世を去りました。連隊長として、この師団長にどこまでも命がけで使えようと思った程の傑作の人物は皆に惜しまれながら、短い人生の中、大きなことを沢山実行し、人材を育成して、後輩に道を託されました。

 

 

訓練検閲というレベル判定

 

陸上自衛隊では、2年に一回部隊長を評価する訓練検閲を行います。自分が連隊長の時、直属の上司である師団長が1週間の間、厳しい状況の訓練を連隊に課してその強さ、規律、団結、指揮、隊員の訓練レベル、スタッフの質等、多くの分野を確認して評価をします。

部隊の練成責任は、連隊長にあり、実際何かあった時の師団の実動部隊である普通科連隊の訓練検閲は、師団長と連隊長の真剣勝負でもあります。

普段の日常生活で調子が良くても、厳しい状況の中では、気力が欠けてしまったり、体力が不足していたり、辛い状況が続くと指揮官の回りからスタッフがだんだんいなくなってしまうのか、皆が集まって苦難を乗り越えるのか多くの事が明るみに出ます。

このため、連隊長は、訓練検閲が近くなると、しっかり部隊を鍛え上げて準備をします。

 

 

一対一の検閲講評

 

訓練終了後、連隊と配属部隊の隊員全員1200名に対して、全員整列をした演習場で師団長の訓練検閲の評価の概要が伝えられます。

その後、幹部は建物へ移動し、訓練検閲の振り返りや、研究会を実施します。中隊長以上は、それぞれ個々に訓練検閲の評価を師団長から伝えられます。中隊長が終わると中隊長は退出して、連隊本部の幕僚(スタッフ)の講評が始まります。講評が終わると大隊長、副連隊長と続きます。師団長から講評が終わると退出し、最後は連隊長と師団長だけになり、師団のメンバーも全て退出した状態になり、師団長と1対1で誰にも聞かれない中で検閲の講評を受けます。

 

 

自分を初めて知る

 

師団長から近くに来るように言われ、椅子を移動しました。

いつでも師団長のために命を捨てる腹を決めた心で臨み、隊員も本当に踏ん張り訓練をやり遂げたので、初めての戦闘団訓練検閲の講評で、指揮官から指揮官へ何を伝えられるのかとても興味がありました。

何を言われても受け入れる静かな気持ちで師団長の前に座りました。

「なかなか、面白かったよ。君はとてもいい味を持った人間だね」

「君は自然の味を持ったタイプの人間であり、自然の味なので隊員が落ち着いて頑張れる環境ができる。そしてあっという間にお互いの信頼感が強まり、皆が力を合わせていくものがスーと作られていく。この力は、自然体なので自由に、柔軟に発揮されるとともに、ここぞという時、力をぐっと集中して大きな力を発揮し任務を達成していくことができるんだよ」

「あとは、一生懸命書いたので読んでおいてくれ。ありがとう。終わり」

あっけなく終わってしまったのと、「自然な味」と自分は表現された驚きを感じながら、退出される師団長の姿を不動の姿勢で見送りました。

 

 

自然な味

 

1枚のA4版の紙に、会った当初はこれといった強さや燃えるような情熱を感じるよりも、穏やかで柔らく、そんなに強さを感じない、どちらかというと特長のないタイプの連隊長に感じられた。この特徴のないものは、何かを考えたり、訓練検閲を行うことにより、君はなかなか他の人が持つことのできない自然の味というものを持っていることがわかった。

一つ一つは普通の事をやっているが、それが積み重なると驚くような事を自然に成し遂げたり、涼しい顔で隊員達も凄いことをしているが普通の事をやっているように自然にふるまう。

強さを誇らないが、現実強い。燃えるような炎を吐かないが、赤と青の炎をコントロールしているので相手は焼き尽くされるほどの損害を受けてしまう。自然だから人が集まる。この味を大切に。

が骨子でした。人を味で表現する。一つの見方を教えて頂きました。

尊敬する師団長から頂いた戦闘団長訓練検閲講評は、私の宝物です。

少しでも尊敬する師団長へ近づくことを今でもしています。

でも、futamiryuはまだまだ足元にも及びません。師団長。

 

 

 

 

 

自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編: 敵に察知されない、実戦に限りなく特化した見えない戦士の育成
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40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
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本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
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『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
 人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
 読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
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オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
 日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
 オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。

 

 

 

オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~
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マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
 本書により、マット飼育のコツを積み上げ、皆さんの目指すオオクワガタを作出して頂ければ幸いです。

 

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