何が人をして勇敢にその生命を賭けさせるか-人を動かす言葉-

何が人をして勇敢にその生命を賭けさせるか-人を動かす言葉-

 

 

将帥たるの道

 

個々の兵隊と統率者の関係、根本的なところは、 「何が人をして勇敢にその生命を賭けさせるか」について理解する必要があります。何人も死を欲しません。

人は他より弱いと思ったら逃げ、他より強いと思ったら前に進みます。このため、将帥が強いと兵隊に思わせることによって兵隊は初めて一歩前に出て攻撃をします。

強い軍隊であるという伝統と強さを求めるために厳しい規律を作り強さを求めていく「伝統と規律」が英国の軍隊の根本であると、英国のアーチボルト・ウェーベル元帥がケンブリッジ大学で講演した内容は、軍事組織、人間の根本的な部分をものの見事に捉えており、大部隊の運用にかかわる1佐になってから、そして今でも心に残る言葉が多くあります。

 

 

統率の資質

 

元帥は簡明に語っていきます。

○糧食と資材を与えること(精神力だけではなく戦って勝てると思う物資を準備する)

○環境条件の変化に対応できる実際的な感覚と精力があること

○逞しさ、風格、見極め、想像力が必要である

  •  戦いは要するに勝負事であり、勇気、健康、若さが必要であり、勇気は冷静な勇気、危機に際しての精神の平静さ(覚悟)が大切である
  • 将帥は風格がなければならない。そして、仕事の基である人間性についての純粋な興味と真の知識を備えなければならない
  • 戦いの要素である地勢、行動、補給に関する適確な知識に基づいた「何が可能であり、何が可能でないか」を見極めることが大切である

 

 

将兵を勇敢にすること

 

よく、戦闘前に兵士の前で士気を鼓舞するような演説をイメージしますが、将兵を勇敢ならしめるのは、戦闘前の演説ではありません。老練な兵士はほとんどそんなものに耳を傾けないし、新兵は最初の発砲とともに忘れてしまいます。大事なことは、戦闘中に声をかけてやる。一言が大切であると話しています。

 

 

将帥たるものの努力の方向

 

軍事史の勉強の必要性を説いています。軍事史を研究する際は、戦略や戦争原則の概論を読んではなりません、伝記類や追想録や歴史小説を読みなさいと言っています。

軍事史から歴史の骸骨を学ぶのではなく、その肉と血と心を摂取しなさい。軍事史は肉と血の人間界の事件であり、機械の戦闘ではなく人間の戦いである。その肉と血の通う生きた軍事史の研究と理解をするべきだと捉えています。

 

 

兵隊の主要な関心事項は何か

 

元帥は、将帥たるの道で兵隊の主要な関心事項を 身の上の快適と身の上の安全性にあると言っています。

 

「身上の快適」として、

○食事を得ること

○気候に合った衣服を支給されること

○寝るための宿舎を確保できること

○怪我をした時に病院で治療を受けれること

 

「身上の安全性」として、

○勝利

○生存を可能にすること(生き残れること)

 

 

将帥に対する信頼は

 

戦術は単なる指揮手順であり、戦術はできて当たり前である。将帥に対する信頼は、給養(補給)、能力発揮、勝利という3つにかかっている。これは人気とは別物である。人気を得ようとしてはいけない。

給養(補給)、能力発揮、勝利の3つを揃えることをまずしなさいと話しています。

 

 

最後の強烈な一言

 

戦場で教範を見るような指揮官は、治療に当たり医学書をひっくり返す医者と同様に信頼感を失わせます。

 
≪次のブログも参考にしてお楽しみ下さい≫
 
伝説の男 -黒崎健時-
 
迷った時はどちらを選ぶか
 
不遜な男になれますか -戦う男の姿-
 
 

 
 

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40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
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人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。

読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

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