戦闘に強い部隊を育成するため、20歳になる隊員と若手幹部へ伝えたこと

戦闘に強い部隊を育成するため、20歳になる隊員と若手幹部へ伝えたこと

 

 

武家社会の成人式

 

20歳になる隊員へ武家社会の成人のお祝いの意味を伝えます。武家社会では前髪を下ろし髪を結う元服の儀式を行うとともに、切腹の作法を父親から学びます。本日より一人前の大人として処遇するが、間違いがあった場合切腹を持って詫びよという一人前の社会人として認められるが、責任が要求されます。

今では、選挙権が与えられ、刑法の処罰が適用されるようになり、一人前の社会人としての良識と責任が要求されることを話します。成人式の本質は、今でも変わりません。

 

 

カレンダーがめくれても成長しません

 

高校や大学時代仲良くやっていたメンバーは、横一線の状態で楽しい仲間ですが、入隊して10年~15年も経つころには、人間的な魅力、実力など大きな差が出てきます。日々の努力の差や1週間、1カ月の努力の差はほとんど目に見える差として出てきませんが、10年~15年の月日で見るとずいぶん差が付いてしまっているのが事実です。

カレンダーがめくられるだけ、誕生日が来て年齢を重ねるだけでは、成長しません。

 

 

成長するポイント

 

成長には、常に物事に関心を持ち「問題認識」という分析・評価をすること、何かを判断する時に必要な正しい座標軸(迷ったら厳しい方を選ぶ、部隊・隊員の発展につながるかどうか、強くなれるのを選ぶなど)を持っていることが大切です。

やろうという意思と行動に心がけ、チャレンジ(自分で考え、動く、悩む)が必要です。これを各駅停車が進むように毎日積み上げていくことがポイントです。要領のいい、即効性のあるような美味しい急行券はありません。

 

 

何かをやろうとする時必要なこと

 

今までと違うことをやる時、リサーチをしたり、上司の許可をとったり、企画書の作成、メンバーへの説明等、いつも以上に自分と周りの人に業務量が発生します。このため、いつも通りやれば済むことをせず、新しいことをする場合、90%が反対かやりたくないと思います。ここで諦めてしまうといつも頓挫ばかりしてしまう状態になります。

組織は、その20%の人がやっていると外から見ている人は、全員がやっているように見えます。新しいことを皆でやっているという外の人の反応から、内部が変化して新たな道を選択する人が増えていきます。仲間を30%作れば物事は動くため、諦めないで進めることが必要であることを伝えます。

 

 

勝てるルールを作って易しくしない

 

敵の行動は右から迂回するという前提で進めますとか、戦闘で重傷者は出ないことにします。更に、対抗部隊が見つからないと訓練にならないので射撃をして位置がわかるようにします。

自分達が勝てるようにルールを作って勝ったり、成功して喜んでいるのは、強い部隊を作るための訓練にまったくなりません。

プレッシャーがかかり、現実をそのまま受け入れ、自分達が勝ちにくい難しい状況で訓練を積み上げていくことによってのみ、実戦に強い隊員と部隊が育成できることを伝えます。

若いメンバーのバイタリティーは強い部隊に不可欠です。若いメンバーの成長が部隊の成長に直結するため、人材教育には力を入れる必要があります。

 
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自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編: 敵に察知されない、実戦に限りなく特化した見えない戦士の育成
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【kindle本が出ました】

 
 

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二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談
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40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
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本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準

 

 

『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
 人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
 読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界

 

 

オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
 日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
 オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。

 

 

 

オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~
オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~

 

 

マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
 本書により、マット飼育のコツを積み上げ、皆さんの目指すオオクワガタを作出して頂ければ幸いです。

 

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