民間へ企業研修をしていた30代の前半の時、企業の記念日の祝賀会食で社長と話す機会がありました。「美味しいお酒を飲むならやっぱり寿司屋で日本酒を飲むことだな。50過ぎてから特にそう思う。寿司屋で寿司を食べながら日本酒を飲むのが、妙に贅沢で身体によく豊かな気持ちになれるのでお薦めだよ」と話してくれたのが頭に残っています。
この時、日本酒は醸造酒で飲むと頭が痛くなったり悪酔いしてしまうようなものが多かったせいか、せっかく美味しい寿司を食べるならお酒なんか飲まず寿司の味を楽しむべきだ。まずい化学調味料で味付けしたような日本酒をなんで飲む必要があるのか疑問があったため、頭に残っていたのかもしれません。
仙台勤務のため、初めて仙台駅に降り、家内と昼食を陽月(ひづき)という日本料理店でとりました。親方と呼ばれる30代の若い料理人の作った日本料理のランチはあまりの素晴らしさに二人で思わずニコニコしてしまいました。
陽を置かず、夜のコース料理を二人で食べに行くと、分厚いカツオの刺身が出てきました。
東京で生活しているとカツオは鮮度がどうしても落ちてしまうので、そんなに美味しい魚とは思いませんし、生臭さを生姜や大葉で消すようにして食べるものだと考えがちです。この店で食べるカツオはこんなに生臭いカツオを分厚く切ってはいけないというほど厚く切った刺身を出します。
美味しいかなと思いながら、陽月で出すカツオを一口食べてみると、生臭さが全くなく脂の乗りも良く、マグロよりも美味しく感じる刺身です。鮮度がいいと、カツオはとても美味しい魚だということを仙台で初めて理解しました。イワシの焼き物も、焼きの技術が高いとこんなに美味しいのかと思います。
その料理を食べながら、東北の上手い酒「南部美人」を飲むと、料理の味が一段と良くなります。美味しい料理と美味しいお酒を飲みながらの食事は、自然に二人ともニコニコして会話も弾みます。
陽月で初めて経験したもう一つのことは、親方の料理に対する意気込みを料理から感じることです。その意気込みの心地よさは、料理への真剣に取り組む姿勢と食材選びから厳選するこだわり、旬なものを使い季節感を出したり身体に良い物を提供する気配り、渋い和食器の使用など全てから感じ取ることができます。
料理に対する意気込みの良さという美味しさを知りました。そして、日本料理を食べながら日本酒を飲むのは旨いなと知ります。
真夏、寿司屋に家内と行った時、普段寿司屋では味覚を落とさないようにお酒を飲まず、お茶を飲むのが寿司を楽しむこだわりでしたが、その日はあまりに暑かったので、家内の許可を得て生ビールを頼みました。渇いた喉を潤すビールは格別です。驚いたことにそれが寿司とぴったり合い、もう一杯頼み、前の人が日本酒を楽しんでいるので、純米酒を頼むと寿司の旨さを引き立てます。
この時、社長が「寿司を食べながらの日本酒が一番旨い」という言葉を思い出しました。なるほどな、次は寿司屋でコースを食べながら日本酒を飲もうと思いました。
銀座の寿司屋でコースで日本酒を楽しむ機会があり、刺身や土瓶蒸し、揚げ物、〆の寿司を楽しみながら旨い日本酒を味わうと、良い話と笑顔が広がり時間の経つのを忘れてしまいます。
少し贅沢ですが、寿司屋のコースで旨い日本酒を飲む、こんな日も時にはいいと思います。
仙台の新幹線乗り場の近くに牛タン寿司広場があります。三階にある立ち食い寿司の「北辰」へ東京から来た友人・家族、お客様を必ず連れて行きました。素晴らしく美味しい寿司と旨い酒が楽しめる隠れた名店です。仙台旅行の帰りなど是非寄ってみて下さい。隠し酒がなかなかです。
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