気配を感じることはできるのか -水面にうつる月のごとく-

気配を感じることはできるのか -水面にうつる月のごとく-

 

 

気配を感じることはできるのか?

 

プレデターを観た時、インディアン出身の兵士が気配を感じながら行動をしているシーンがとても印象的でした。森の一点を見つめて「何かがいる。ここは避けた方がいい」と言っている場面がそのシーンです。

もし、気配を感じ取れる技術を戦闘員が身に付けることができれば、生き残って任務を達成して帰ってこれると思います。

人間が何かを感じ取ろうとする時、立ち止まり、音や空気の流れを感じ取ろうとします。走った後、ハァハァいいながらでは自分の体が騒がしくて感じ取ることができない状態になります。

 

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秋の夜に草むらを歩くとジーと鳴いていた虫がピタッと鳴き止みます。しばらく静かにしていると、また鳴き始めるのを経験した人が多いと思います。これを水面(みなも)を使って説明した人がいて、成程と理解することができました。

自分の心の中に静かな月夜をイメージし、そこには大きな池があり、どこまでも静かな波一つない水面がずーと続いているのを思い浮かべて見て下さい。

波一つない水面に波紋ができたということは、自分の心が乱れてしまい水面を波立ててしまったか、何かを感じて波紋ができたかのどちらかになります。

自分の事はわかりますから、正常な状態であれば、他の何かが、近づいてきて音がしたのか、何かの動きを感じたりしたため、波紋ができたと判断できます。これが気配を知るということだと聞いて納得しました。

「では、気配はどうすれば無くせますか」と聞くと、同じことをしていれば、気配は小さくなります。歩いたり、考えたり、していると気配を発するので、静かな水面を持っている虫や動物に悟られてしまいます。

自分も延々に続く水面を作っていれば相手は気配を感じることが難しくなると聞いて凄いことを考えるなと感心しました。

砂浜でカニを採ろうとしたら、穴に潜られてしまい、しばらく静かにしていると顔を出して外に出てくるのは皆さん経験したことがあると思います。

気配を感じ、気配を消すというのは、静かな心を維持しながら、集中せず、全体に柔らかくレーダーを回して、まるで前からここにあったと感じる岩のように自然に溶け込むことをすることです。

静かな水面に月が綺麗に写るように心を静かにすることから、始めていくことにより、気配を知ることになります。

 

カニ

 

日頃から、生活の中でも水面に移る月を意識しながら行動を心掛けています。以前煙草を吸っていた時、非常に弱点が生じて嫌な行動が一つありました。

それは、自動販売機で煙草を買って取りだす時、少ししゃがんで、周りに無防備に背を向ける状態になります。非常にいやな瞬間です。

ある時、人が後ろを通っているのがかすかに感じ取れ、その人は気配を減少している状態だったので、非常に嫌な感じがして、思わず、「何者なんだ」と、ぱっと振り向いてみると、それらしい人はいませんでした。

おかしいなと確認をしていくと、やる気と人生に疲れているような若者に自分は反応したことに気づき、この人はオーラというか意欲がほとんど感じられないのが、無の波紋を作っていたのではないかと理解しました。無気力の若者も気配が小さいです。

 

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