大きな組織は変化を感じないのにいつの間にか大きな舵が切られている

大きな組織は変化を感じないのにいつの間にか大きな舵が切られている

 

 

センセーショナルな組織改革

 

時代に追いつけなくなったり、長い間なまぬる湯に浸かって衰退してしまった組織を改善するため、思い切った改革をするドキュメントや活字になって紹介されています。見ていて躍動感があり、ダイナミックなので心が熱くなります。

しかし、全ての組織が思い切った改革をしていないのが現実です。

多くの人員を抱え、全国展開している組織は、突然大きく舵を切ってもなかなか改革の目的や要領が伝わらなかったり、人事制度を変えることによって所属しているメンバーの生活に打撃を与えたり、組織投資の方向を変えるのに時間がかかってしまうので、早く、激しく、思いっ切った改革ではないが、確実に時代に対応できる組織にするような改善をします。

現場で今日明日の勝負をしているメンバーにとっては、ゆったりして進んでいるかいないか感じられない組織の変化がまどろっこしく感じて不満が溜まります。

 

 

100万トンタンカーの舵の切り方

 

陸上自衛隊は、大きな組織であるとともに、海上自衛隊や航空自衛隊よりも個人装備火器や各種射程の火砲、車両など、広範多岐にわたる装備品を取り扱うため、装備開発、取得、配分、教育訓練に手間がかかります。

戦車は、開発に10年、取得・各部隊への戦車の配置に10年、装備が安定し、教育訓練が定着するのに数年かかります。

小銃も1989年正式化した26年前の89式小銃がまだ部隊に行き渡っていない状態です。

軍事組織は、手間と時間と莫大な経費がかかります。

陸上自衛隊の中枢では、組織をより良くするために日夜踏ん張って舵を切っています。しかし、100万トンタンカーの舵を切っているのと同じなので、ゆったり少しずつ変化しているので、乗っている人はタンカーの方向が変化している事を感じず、真っ直ぐ航行しているように思います。

100万トンタンカーのゆったりした舵きりでも、時間が経つと直角にいつの間にか方向が変わっています。10年ほどかけて、組織が変化してしまった時には、自分達はそんなに変化していないと思って日々過ごしていても、次第に時代に合った状態になっている事に気付きます。

大きな組織自体の運営は上手くいっているといえます。

 

 

先駆者の役割

 

100万トンのタンカーでも、舵を早く切って変化しないと対応できなくなると危機感を持つ人がいて、改善する方向を作ります。100万トンタンカーに乗っている大多数の人は、いい方向に進んでいるし、危機感などない感じで過ごしているので、危機感を持って動いている人の必要性が理解できません。

反対に、危機感を持っている人は、何故わからないのだ、どうして装備や訓練がなかなか変ろうとしないか、苛立ちを感じます。

少数では、多数に抑えつけられてしまいますが、何故なんとかいつも間に合う程度に進むのか、不思議に感じると思います。組織は、25%の人が同じ考えを持っていたり、同じ行動をとると、組織の外と中で作用し合い、組織全体が動き出す特長があるからです。

組織の中で、理解者を増やし、仲間を作る事によって、自分達の行動範囲が広くなり、進む方向への動きが早くなります。先駆者は、自分の技術を磨きながら仲間を作って組織を引っ張っていくので、苦難もありますが、とてもやりごたえのある役割です。

100万トンタンカーは舵を切り始めると途中で元に戻すことはできません。始まると徹底的に時間はかかりますが、進んでいきます。

このような組織の特長を理解し、力を付け、仲間を作ってスクラムを組みながら、組織の改善に挑むことは、素晴らしく、楽しいものです。そして、貴重な友人ができます。

 

こんな人生が私は好きです。

 
≪次のブログも参考にお楽しみください≫
栄光を掴み取る組織と人間作り-人を生かす組織、強く活力のある組織-

150km/hで走るダンプカーのように

出る杭は打たれるが、出過ぎた杭はどうなる

動かない組織を変革することは難しくはない

目標をどこに置くのがいいのか
 

 

 

【kindle本が出ました】

 

本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめり込む姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
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『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
です。

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
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『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ若い隊員が成長していく姿には、若い人達や人材育成に関する多くのヒントがあると思います。

人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。

読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

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1 Comments

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