小隊長の約束

小隊長の約束

※本記事のアイキャッチ画像は、永田市郎様から頂いた画像を使用致しました。

 

末席の幹部なりたての小隊長に何ができるのか

 

小隊長なりたての何もわからない状態で、毎日布団に入るとパタンキューとなる生活をしていると、「どうせ、酒ばかり飲んでいてまともなものも食べていないだろうから今夜鍋を食べに来ないか。」と結婚している陸曹が、家に呼んでくれました。

酒もあまり強くないのと飲み方もよくわからない状態でいつも帰りは奥様に送って頂くか、泊りになってしまうパターンを各家で繰り返していました。

「こんな若いのに幹部なんだよ」と奥様にいつも紹介されながら、寝てしまうまでの間、「陸曹はこんな環境を作ってもらったらもっと活躍できるんだ」、「これはやっても無駄なのに続いているのはおかしい。」とか、「訓練でこんなことをすれば強くなる」等々、問題認識や改善の方向をいっぱい話してくれます。

「自分はぺいぺいの末席の幹部だから、そんなことはできないよ」と答えながら、美味しい鍋や手作りの料理を頂いていました。

レンジャー教官の家に行って、まむし酒やクコ酒、朝鮮ニンジン酒を飲ませてもらった時は、アパートに帰って目を閉じても頭の中に強烈なライトがついている感じで全然寝れない状態になる経験をした日もありました。

そのうち、他の中隊の陸曹も呼んでくれるようになり、普通自分の中隊以外の幹部は呼ばないのにと思いながら、「ここをこうしてもらうといいんだけどね」、「日の当たらない地味な仕事をしている者もよく見てほしい」と色々な話を聞き、「自分は末席の幹部です」と言うのに、話したいから話しているんだから聞いていればいいと言われる夕食会が続きました。

 

 

将来投資の鍋の会

 

流石の鈍い私でも、どうして他中隊の陸曹までが、家に呼んでくれるか不思議に思い始め、「どうして話してくれるんですか」と聞くと、小隊長は何も知らないからという感じで、なかなか話してくれません。

ある日酔って寝ないように、頑張って陸曹をどんどん継いで酔わせて、聞いてみると、「陸曹はどんな幹部が中隊に来てもそれに合してやらなければならないものなんだ」、「将来偉くなった時に、こんな陸曹の声を覚えて少しでも良くしてもらいたいんですよ」、「もう少し経つと小隊長も偉くなり、こんな話ができなくなってしまうものだから」と話しました。

他の夕食会に呼ばれて確認すると、同じ内容であることがわかりました。「いつになったらできるかわかりませんよ」と答えたら、「約束だよ」と言われました。今までの陸曹の話が、心に溶け込んでいくのを感じました。

 

 

「約束は守っているよ」

 

パレードをする時、待機をしていると、「小隊長!久し振り元気か」と声をかけられました。振り向くと小隊長の時によく家に呼んでくれたり、飲みに行ったりしていた「熊谷(クマ)」が、頭が白くなり、ニコニコして近づいてきました。

「クマ年取ったな」と言うと「小隊長も少しはまともになったな」と楽しい雑談していると、futamiryuさん(著者)パレードの時間ですと言われて、クマへ「約束は守っているよ」と言うと「覚えていたんですか。ありがとう」と言われました。

なんだかこれ以上喋ると約束と言う言葉が薄れる感じがして、「クマまた会おう」と出発する時言いながら、心の中で、ありがとうは、俺が言う言葉だよ。

ありがとうございましたと頭を下げました。後ろから、「小隊長も元気でな」とクマの声が聞こえました。

 

 

 

 

【kindle本が出ました】

 

本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術

 

 

 

『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
です。

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準

 

『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ若い隊員が成長していく姿には、若い人達や人材育成に関する多くのヒントがあると思います。

人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。

読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

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2 Comments

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