オオクワガタトラッキング採集 -秘境奥日光川俣温泉編-

オオクワガタトラッキング採集 -秘境奥日光川俣温泉編-

 

 

檜枝岐と同じ匂いのする自然

 

奥日光の川俣温泉一帯は、檜枝岐の南に位置し、檜枝岐と同じように西へ奥深く入る平家所縁の秘境です。標高や自然の深さからオオクワガタ生息の可能性が高いと判断し、「真夏に冬布団をかけて寝るような涼しい所とかけ流しの凄い温泉に行こう」と家内を誘うと、「オオクワガタ採集でしょ。たまにはオオクワガタに関係のないところがいいな。温泉がいいなら行ってもいいか」と返事が返ってきました。「僕も行くよ」と息子も参加する新たなポイントを開拓する採集旅行となりました。

人は少なく牧場を過ぎると登山者や秘湯を目指す人だけになります。

道は、檜枝岐よりもドライビングテクが必要で運転を楽しめます。

「10年以上前の檜枝岐だね」と20年檜枝岐に私とオオクワガタよりも温泉を楽しみに通っている息子が言うように、自然たっぷりでのどかさがあります。

「檜枝岐と同じ匂いがする」と家内が宿について車から降りた瞬間言いました。「本当だ昔の檜枝岐の香りだ」と息子も感動しています。

15時には夕立があったため気温24℃になっていてクーラーがなくても涼しい状態です。窓を開けると川の流れが聞こえ、トンボが数十匹飛びまわっています。

 

 

ベランダにミヤマクワガタのメスが、しかしヒントを活かせず

 

窓を開けて伸びをしていた家内が、「あれクワじゃない」というのでひっくり返っているのを見るとミヤマのメスがいました。これは今夜来るな。
と思わず微笑んでしまいました。

しかし、ここに重大なヒントがあるのに気付かなかったことを翌朝反省します。何故ここにミヤマのメスがいたのかです。

ただ迷い込むという短絡的な思考といるなと喜んでしまった自分の詰めの甘さがありました。

檜枝岐にそっくりの自然がありますが、樹木や草花を見るとまだ、標高が少し足りない感じがします。

昼間の偵察で、一般車がこれ以上入れない駐車場やダムを見て灯火採集のポイントを決めていきます。

最近LEDを使用するところが多くなり、少しガッカリしています。波長が合わないのか、残念ながらLEDの電灯には昆虫が集まりません。

一般車通行止めの奥に温泉があり、ここから自然が一段と深くなる感じです。

歩いて1時間の道程を行こうか考えていると、「そろそろ温泉に入りたいな」と家内に、考えていることを読まれて先手を打たれてしまいました。

後での反省は、ここで歩いて偵察をしておけばもう一度行かなくても全体が把握できたのに、もう一度行かないとならないなということです(次につながるのでラッキーだったかもしれません)。

 

 

大型深山オスとアカアシは自然のバロメーター

 

待望の夜が来ました。昼間偵察した灯火に向かいます。

初めてで道が狭く真っ暗で自動販売機や村落もなく運転しにくい状態ですが、その自然の深さが嬉しい状態です。

息子と期待を膨らませて夕闇を待っていると、なんと現れてはならない、今夜の採集はよくありませんとコンディションを教えてくれる生物が20時の時点で現れてしまいました。

自然は、微笑んでくれる時は素晴しいプレゼントをくれますが、千変万化でこれが常態なのか、今日は特別なのがなかなか判断がつきません。大まかな勘どころをつかむまで、通う必要があります。そういえば檜枝岐で初のオオクワガタ採集まで3年かかりました。

コウモリが電気の回りを飛び回り、小さな蛾もほとんど飛ばないコンディションに今夜はなっています。息子とポイントのの開拓に専念しようと話しながら、灯下採集を続けると最悪のコンディションでも大型ミヤマのオスやアカアシが飽きない程度に採集できる楽しい夜となりました。

また、かなりの蛾が飛ぶ場所もあり、車止めの温泉地を含め楽しみな場所だなと感じました。

 

 

凄いポイントは目と鼻の先にあった

 

標高の高いブナミズナラ帯は、あまり樹液が出ないクワガタにとっては厳しい環境でもあり、採集者にとっても樹液はめったに見つけることができないところです。

朝の散歩で青空を飛び交うトンボを撮影しながら、川の流れる音と自然を満喫していると、

ブナ樹液

「だからミヤマがいたのね」と家内が指さすのを見て、凄い光景を見ることになりました。

「夜チェックしておけば」と次の採集の機会を必ず作ろうと思いました。

 

 
≪次のブログも参考にしてお楽しみ下さい≫

熊本オオクワガタトラッキング採集

 

 
 

【kindle本が発刊されました】

 

 

天然オオクワガタを求めて-山梨県韮崎一帯オオクワガタ採集記-
天然オオクワガタを求めて-山梨県韮崎一帯オオクワガタ採集記-

 

かつてのオオクワガタ有名産地、山梨県韮崎一帯で天然のオオクワガタを求めた採集記が完成しました。本書は、「1年を通じた採集記」、「採集幼虫のその後」、そして、「20年前同じ場所で体験した採集記録(加筆)」の3部で構成されています。

 

 

 

 

【kindle本が出ました】

 

二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談
二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談

 

 

 

40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術

 

 

本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準

 

 

『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
 人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
 読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界

 

 

オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
 日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
 オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。

 

 

 

オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~
オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~

 

 

マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
 本書により、マット飼育のコツを積み上げ、皆さんの目指すオオクワガタを作出して頂ければ幸いです。

 

関連記事紹介

1 Comments

  1. Pingback: オオクワガタトラッキング採集 -栃木県奥日光川俣温泉・栗山地域- | 戦闘組織に学ぶ人材育成

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です