良い上司は何処でも引く手あまたでせっかく配置され喜んでいても短期間で交代になってしまうものです。その後任者として、なんでこんな人が上司になれるのか頭を疑うような人が着任してきて重い気持ちになるのが、どこの組織でも常です。3人の課長、上司に仕えて、一人でもいい課長に当たった時は幸運です。いい上司や人材は、猛烈に忙しく会社や企業の中枢になっている部署に集まるからです。このため、中枢以外の部署では、部長クラスが、レベルの高くない課長を上手く使いながら組織を動かす努力をしています。
課長クラスになる人は、レベルは高くなくとも、真面目で従順な人を昇任させ、最低限の組織の健全性は確保しようと人事は考えます。
企画・発想力の乏しく、物事の捉え方が良くない、部下を上手く使えない課長が、部長の指示を愚直に実行しようし、自己保身をしながらなんとか乗り切ろうとする図式から、細かい事を言い、多量の資料を準備させる気の小さく、部下に色々要求をする上司が誕生します。
レベルがそんなに高くない上司は、まず、どのようなアウトプットを作り上げればいいか示すことができません。このため、部下は、課長が考えなければならない全体像やアウトプットイメージをもがきながら作り、自分の考えたアウトプットイメージを満足する資料を作らなければならなくなります。
人の案に難癖を付けることは誰でもできることです。
上司は、部下の提出した資料にあーだこーだと指導(難癖をつけます)をします。そしてまた作らなくてもいい資料を作ったり、リサーチをしなければならなくなります。
こんな上司は、上から何を言われるか怖くて、物凄く調べて質問に答えれるようにしたり、心配症を満足するような資料を作ってきた人です。
仕事を始める時に、上の人の指針や考えを確認しておけば、かなりスムーズに仕事を進めることができますが、上の人に聞かないで上の人はどう考えるだろうということに重きを置くので、間違った方向できめ細かい資料を作ってやり直しをしたり、ビビればビビるほど必要のない資料の作成や調べごとが増えます。
こんな上司は、部下に資料作成を色々要望することに、抵抗感はありません。何故ならば自分がやってきた事なので普通の事だと思っているからです。
更に、自分のレベルに合う資料にしないと、説明ができないため、部下の作成した資料を自分色に全て塗りなおさないと上の人に説明ができないので厄介です。
この仕事はなぜ行うのか、仕事を進める目的は何かということよりも、上の人にこう言われたらどのように答えればいいか、こんな説明したら、上から質問や宿題をもらってしまうかもしれないということを心配します。そして、また余計な仕事が発生します。
一つの事を言うと、これはどうなっているんだ、何処に書いてあるのか、他に何かないかという感じで、質問が細かく出て、資料を作成しなければならなくドンドン期日が迫っていきます。
こんな毎日を過ごすと普通の人でも嫌になってしまいます。反発的な事を言えば言うほど細かい指示が出て、仕事が増え余計ストレスがたまっていきます。
こんな上司は、気の小さい分、上にはとても気を使います。このため、上司から与えられた仕事をキッチリやり、上司の上の人から良くできたねと、評価された場合、一発で上司の信頼を得て細かい事を言わなくなり、頼られるようになります。
細かい事を言い、多量に資料を作成させ、気の小さい上司とは、ファーストコンタクトが極めて重要となります。仕事の詰めが甘く、質問にしっかり答えられないような事を初回にやってしまうと、その上司との改善はできません。
反対に、信頼を得ると上司の在任間、上手く付き合えます。一番初めの仕事と、言葉の使い方を注意して踏ん張り抜くと割合信頼されたり、頼られて上手くいきます。
気が小さく、沢山気を使うので、上司との会話には気をつけて下さい。上司のピットが立つところを観察して抑えておくと、暴れるスイッチが入りにくい対応ができるようになります。
気が小さいので気にするアンテナの感度が高い人だと思えば、その人のアンテナと同じ感度を自分でも持つように心掛けると、何を考え、感じ取っているのか、上司が他の人の指導をしているのを見ていると掴めるようになります。
こんな上司は、発想や企画力がそんなに高くないので、方向がずれたり、部下が考えてきたのを質問や細かい確認をしながら、自分のレベルの仕事に合わせていこうとするので、宿題や資料作りを命じられるのが嫌であまり指導に行かないと余計進まず、どうでもいい事をやるはめになります。
方向の確認として、ペーパーを使用せずに上司と簡単な会話を短時間して、少しずつ二人の頭の中のギャップをなくしていくことが効果的です。簡単な言葉のキャッチボールができるようになると上司も気軽に喋ってくれるようになります。
反対に、部下がどのような事を考え、何処まで仕事が進んでいるのかを知ることができるので、上司としてもやりやすくなります。
一度に多くの資料を持って指導受けにこられると、上司でなくとも人間は、随分あるなぁと思いながら対応するものです。
日ごろの簡単な会話で少しずつインプットをしていると上司も部下も楽に接することができ、仕事を進めることができます。
簡単な会話とは、方向の確認や上司のイメージの確認をすることです。長い話や資料を持ってこなければならないような会話ではなく、欲張らずに一つか二つの内容にすることがポイントでもあります。
軽い気持ちで会話が進められるような質問にすることも大切です。
会話をすることに心掛けてみて下さい。
もう一つの捉え方として、自分がそれ相応の年齢になり、部下が嫌になるような上司にならないための、反面教師として学ばせてもらっている時期であると思うと、腹も立たないし、イライラしなくなります。
こんな環境でも、上司に信頼をされるにはどうしたらいいか、部下はどんな気持ちで毎日を過ごしているのか、モチベーションをいかに上げるかについて考えながら、自分の力をつける時期と割り切ると気持ちが楽になります。
恨みや怒りは、プラスになりません。自分にプラスになる前向きな捉え方をして下さい。
お酒で憂さを晴らしたりするのではなく、できる限り運動をしてスカッとすることも、綺麗な気持でいられるポイントです。
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『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
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