オオクワガタ飼育、マット飼育で安価に多くの大型個体を累代飼育

オオクワガタ飼育、マット飼育で安価に多くの大型個体を累代飼育

 

 

マット飼育は実験の連続

 

熱帯魚好きの友人とオオクワガタ飼育の話で盛り上がると、「オオクワガタのマット飼育は、海水魚を飼育する時の魚に適した海水を如何に作るかの戦いに似ていますね」と言われました。「成程!」オオクワガタのマット飼育も幼虫のエサとなるマットを如何に作り上げるかが重要だと考えていたので妙に納得してしまった事を思い出します。

最近は、マットは割合簡単に出来てしまうもので、1令幼虫、2令幼虫、3令幼虫にあったビンの大きさとエサ換えのタイミングやエサの水分の状態の勘どころを掴むことが大切だと考えています。

今回、オオクワガタマット飼育について、1令幼虫の育て方から羽化までの飼育要領を20年以上のオオクワガタマット飼育をやって私なりに掴んだ事を紹介します。

 

 

マット飼育歴いつの間にか20年以上

 

オオクワガタマット飼育を始めていつの間にか、幼児だつた息子が社会人になってしまいました。大型のオオクワガタを作出するために文献を捜し、大きくなるという情報を入手するれば毎年実験を続けていました。

当時オオクワガタブームの牽引者であった虫研の吉田賢治さんのクヌギ林で毎年開催される、当時極秘の飼育に関するデモンストレーションをワクワクしながら家族で見に行きました。

大型のオオクワガタが作出されるようになると、いくら大きくなったからといって、細長い身体や細い顎のオオクワガタのイメージと異なる形に疑問が出るようになります。

そんな時に、オオクワガタ美形コンテストが始まります。顎の形やガッシリした逆三角形の体形、全体のバランスから、これぞオオクワガタの見本が示されるようになります。

以前から、血統の重要性は語られていましたが、大きさと形を重視するようになると遺伝が大きく影響することが明確になり、血統重視の時代になります。

 

 

多くの個体飼育に適するオオクワガタマット飼育

 

菌糸ビンの登場によって、マット作りの難しさが無くなり、だれでも手軽に大型のオオクワガタを作出できるようになりますが、菌糸ビンは比較的高価なため、飼育数はどうしてもお財布との相談になります。

なんといっても、オオクワガタ愛好者にとっては、夏の樹液採集と灯下・灯火採集、12月から2月頃まで朽木割採集を楽しむ時期で、温泉に入りながら、ウナギを食べたり、焼き肉を楽しみます。結果的に飼育よりも採集にかかる経費の多くなります。

採集で採れたオオクワガタの100頭に1頭良い血統がいるかどうかなので、高速に乗って、2泊停まりながら温泉と食事を楽しむと結構旅費がかかります。

考えようによっては、数回の採集旅行分でかなりいいオオクワガタの血統を手に入れることができます。

「それだったら、採集に行かずに凄い血統を手に入れたほうが安いんじゃない」と家内は言いますが、正しいがそう割り切れないところがオオクワガタ飼育と採集です。

採集で凄い血統を見つけるのは、最高のオオクワガタ愛好家のロマンだからです。

飼育は飼育で美形大型オオクワガタ作り上げるのが愛好家の最高のロマンです。

 

 

微粒子でなくても大丈夫です

 

オオクワガタ飼育で大切なマットについて話を進めます。

最初の10年程度は、クヌギ100%微粒子のマットがいいと情報が回ると、限りなく目の細かい微粒子マットを求めました。
やっとゲットした微粒子マットを45ℓのプラスチックケースに入れて添加剤を入れて餌を発酵させるためかき混ぜる時、大型作出の絵を頭に思い浮かべながらニコニコ顔になり、期待で胸が膨らみます。

微粒子マットは、発酵してフカフカの状態に仕上がるのでとても良い感じですが、添加剤が良く絡むせいか、発酵が進みやすく加水分解が早く進みます。

3令幼虫の最後のエサ換えをして羽化までもっていく時、半年は同じマットのままなので、微粒子マットを使うと黒くベチャベチャになり易く羽化不全の原因とエサが加水分解してもたない状態になります。

そんな事を繰り返している時、たまたま目の粗いマットしか手に入らず、渋々使用してみると、いつもよりも大型が揃う結果となりました。

エサが数カ月もつようにするということがポイントである事を学びました。

 

 

添加剤は栄養あり過ぎは向きません

 

添加剤は、定番の小麦粉を始めに、多くの添加剤使用結果を飼育報告体験談として本で紹介されたり、ネットにアップされます。

キトサンや手に入りにくいもの薬剤、ビール酵母や各種酵母、フスマ、オオクワガタ専用の市販の添加剤など、多種多様です。

最初は、どうしても高栄養素を求めてしまいますが、2カ月以上添加剤によりマットが劣化しない状態で幼虫を大きくさせなければならないことが重要である事を知ります。

酵母類は、マットの加水分解が進みやすいので早期(4年程)に使うのを止めました。

オオクワガタ飼育は、結果が出るのに1年かかるため、やり方を変えるのは、データによる分析がとても重要になります。変えるということは、結構なチャレンジとなります。

上手くいかないと、上手く血統をつなげなかったり、小さい成虫を作ってしまうと元の状態まで回復するのに、数年かかってしまうからです。

添加剤は、フスマを中心に小麦粉ひと握り、きな粉大さじ1杯程度でこの10年間続けています。加水分解によるエサの劣化とエサの栄養のバランスを考えながら、自分独自のマット作りを楽しんで下さい。

 

 

発酵はどの位させたらいいか

 

マットに添加剤を入れてどの位発酵させてから、エサとして何時使用すればいいかについて、通常1カ月といわれています。

発酵時の発熱は、エサ作成後1週間程度1次発酵として50℃以上になり、その後温度はあまり上がらない2次発酵がじわじわ1週間程度続きます。

添加剤による発酵時の発熱がおさまる2週間後に、ビン詰め可能です。心配な時は、マットをビンに詰めて1日置いてビンが熱くなっていなければ使用できます。

夏の気温が高い時は、水分を多くすると微発酵以降劣化が思った以上に進んでしまうため、高温による水分の気化と劣化しない程度の水分にすることが重要です。

あまり難しくありません。水を入れ過ぎ劣化をさせなければよく、わからなければ水分を少なめにしながら調整することができます。

マットを握って、お握りができずボロボロ崩れると水分が少し足りません。ギリギリ軽く固まる固まらない程度に調整します。ギュッと固まってしまうのは水分過剰でマットの劣化が進みます。

夏・秋・冬の温度と湿度に合わせて、水分に気をつけてマットを作るように心掛けることが重要です。

 

 
 

【kindle本が発刊されました】

 

 

天然オオクワガタを求めて-山梨県韮崎一帯オオクワガタ採集記-
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かつてのオオクワガタ有名産地、山梨県韮崎一帯で天然のオオクワガタを求めた採集記が完成しました。本書は、「1年を通じた採集記」、「採集幼虫のその後」、そして、「20年前同じ場所で体験した採集記録(加筆)」の3部で構成されています。

 

 

 

 

【kindle本が出ました】

 

二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談
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40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
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本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
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『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界

 

 

オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。

 

 

 

オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~
オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~

 

 

マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
本書により、マット飼育のコツを積み上げ、皆さんの目指すオオクワガタを作出して頂ければ幸いです。

 

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