戦闘能力の維持と口腔衛生、病気をしない若々しい身体作りと歯磨き

戦闘能力の維持と口腔衛生、病気をしない若々しい身体作りと歯磨き

 

 

映画「ハンバーガーヒル」の口腔衛生

 

ベトナムの衛生状態の悪い密林地帯にヘリで連れてこられた新兵へ、何度も弾をくぐり抜けながら多くの隊員を治療してきた衛生兵「ドク」が、まず最初に口うるさく教えたことは、予想外の内容でした。ドクは新兵に、「今日悪魔のような場所にやってきた可哀想な新兵達よ、生きて帰りたければ、毎日歯を磨け。口の中から多くの病気にかかるぞ。さあ早く磨いてみろ」です。

1970年代から口腔衛生の重要性を最前線の隊員まで徹底しているのは、実戦を常に続けているアメリカの強みだと思います。現在の陸自で衛生がここまで厳しく徹底することはありません。戦闘における口腔衛生の重要性の認識は、40年以上経ってもまだ陸上自衛隊に根付いていない状態です。

映画の中で、ドクに怒鳴られながら、新兵が口の中を歯磨き粉でブクブクに泡を立てて、忙しそうに歯磨きをしているシーンが頭の中に残っています。

 

 

陸上自衛官に非常に多い虫歯

 

陸上自衛隊では、毎年春の健康診断を4月頃に行い、40歳以上になると成人病検診も加わります。健康な身体は、A判定となり、どこかが悪く継続的な観察が必要である人がB判定となります。C判定は、治療が必要な人です。
40連隊で勤務していた時、60%の隊員がB判定という驚くべき結果が出ました。どこの部隊も似たような状態です。

身体も強く、我慢強い精神と健康管理をしているのにおかしいなと思っていると、虫歯でB判定となっているのがわかりました。演習は、演習場へ1週間ほど行き、3夜4日の訓練をよく行います。3泊4日ではありません。24時間連続して戦闘訓練を行うので泊は使いません。

このような演習を15回程度普通科部隊は行い、戦闘訓練中歯を磨くことはせず、歯ブラシも演習場にもっていかないのが現状です。自衛隊の生活は新隊員から、時間に厳しく時間に追われる生活をしているので、日常生活でも、食事後の歯磨きや寝る前の歯磨きの習慣が定着していない状態です。
若い隊員は、身体が強いので、歯がだいぶ痛くなるまで我慢してしまい、いつの間にか、虫歯だらけになったり、C3クラスになってから受診をする状態でした。更に、演習に行くので歯科受診の時間が取れなかったり、課業後歯科受診は終了しているため、時間ぎりぎりまで訓練を頑張って隊員が受診できない環境や若い隊員は外出したいために歯科受診をしなかったりします。

 

 

戦闘員の口腔衛生はやって当たり前

 

戦場における口腔衛生の重要性、病気の予防、若いうちに歯を失わないことの大切さを説明することにより、隊員の虫歯に対する意識が変化し、歯科医師が19時まで受診時間を延長して治療を行う頑張りと上司が虫歯をなくす環境を進めることにより、1年半で虫歯患者が激減し、90%という多くの隊員がA判定の隊員となりました。

口の中や歯と歯茎の間、所謂歯周ポケットは、雑菌だらけです。
歯磨きを歯という牙を磨いているような人が多いと思いますが、雑菌は歯周ポケットや歯と歯の間で繁殖して多くの病気のもとになるので、「歯周ポケットを磨く」、「歯と歯の間を磨く」ことが重要であることがわかります。

歯自体を磨こうと考えてしまいがちなので、強めに泡を多く立てて、横磨き、縦磨きをしてしまいます。これではゴシゴシして気持ちがいいだけで、雑菌が除去されません。

歯磨きの仕方をネットや本で学ぶのも一つの方法ですが、歯科受診時に、歯磨きの仕方を教えてもらうと磨く要領を習得しやすいと思います。

 

 

雑菌が体内に入らないようにする関門

 

キチンとした歯磨きを3か月続けると歯茎がピンク色になってきます。そうすると他人の歯茎の色がとても気になるようになり、更に歯磨きを頑張るようになります。

2年以上毎日10分程度歯磨きをしていると、歯科医師や特に歯科衛生士の人から、「最近、風邪や病気にかかりにくくなってきませんか」と聞かれ「そういえば、喉が腫れて発熱したりするのが無くなりました」と答えると、「口の中で増えた雑菌が、喉を腫らしたり、体内に入って病気を引き起こします。口という最前線で防衛するようになったので病気が減ったんです」と教えてくれました。

映画の衛生兵ドクと同じことを言います。

健康維持の基本は正しいブラッシング -若々しい歯茎-

 

 

 

 

 

自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編: 敵に察知されない、実戦に限りなく特化した見えない戦士の育成
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40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
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