災害で怪我をしたら何処へ行けばいいか

災害で怪我をしたら何処へ行けばいいか

 

 

災害で怪我をした人は、何処へ向ったか

 

市町村では、災害、特に地震災害で、怪我をした人を治療するための施設を避難所となる小中学校に「応急救護所」を設定し、治療を行います。小中学校には、簡単な手術もできる衛生資機材と薬品が備蓄されています。その応急救護所へは近くの診療所の医師が駆け付け、治療を行うようになっています。しかし、東日本大震災では、怪我をした住民は、認知度が低く、十分な施設のない「応急救護所」ではなく、大きな病院へ集中しました。

医療施設が整っており、自家発電装置や井戸を独自に保有している病院は、非常に魅力的であり、行けば何とかしてくれるという安心感があります。

 

 

救急病院の収容能力

 

救急病院は、中等症以上、特に、重症者の命を救うことを超急性期(発災後72時間以内)の医療活動の重点として活動します。

救急病院へ、独自歩行のできる軽傷者が多量に押し寄せてしまうと、軽傷者の治療のために医師と看護師を割くことになり、救わなければならない重傷者の治療ができず、救える命が救えなくなってしまいます。

救急病院でも、重傷者の対応は、重傷者5名程度で手いっぱいになってしまうので、他の地域の病院へ緊急搬送しなければなりません。緊急の対応が必要な重症患者の対応は、多くの医師と看護師が必要となり、不足状態になります。
軽傷者の治療は、外科医でなくともできます。歯科医師でも、注射はできますし、簡単な治療は可能です。

しかし、外科手術は、外科医が必ず必要となります。そのため、日本全国から、医療チーム(DMAT)が自衛隊機などを使用して応援に来るシステムが整備されてきました。

 

 

最近の災害時の医療活動

 

救急病院の前の駐車場や広場にトリアージ(軽傷、中等症、重症、治療しても手遅れの状態)ラインで数人で判別し、軽傷者は、臨時に設置した治療をする場所で応急手当てをして戻ってもらい、中等症以上の患者を受け入れる態勢を取ります。
医師の不足は、近くの診療所やクリニックの医師が応援に来て手伝い、超急性期の医療活動を行います。

この体制は、東日本大震災以降進められている方法です。

 

 

診療所やクリニックによる診療はいつ始まるか

 

超急性期の治療が終了すると、応援に来た医師は、自分のクリニックに戻ったり、小中学校に設置した応急救護所へ行き、避難活動が長引くことによって体調を崩す避難者の治療を行います。
小中学校の応急救護所には、最低限の医師を当初から配置して、地域住民や避難者の治療と心の支えとなる体制を進めたり、それぞれの自治体で検討が進められています。

通常の診療所やクリニックでの診療は、発災後超急性期を過ぎたころから本格化していくと考えられます。

 

 

戦闘時の医療活動を考える

 

中等症、重傷者の早期設備の整った病院での治療の必要性と外科手術に多くの医師と看護師が必要であることだけでも、戦闘において負傷した隊員の命を救うのは、今の陸上自衛隊の体制ではかなり難しいことが分かります。
救急救命処置、医師がいなくても治療と薬剤を使える特例措置、医務官の配置、迅速な後送処置などが、現実の戦場で機能するように進めていかなければなりません。

災害時の医療活動にも見劣りするような戦闘組織の医療体制は、早急に充実強化する必要があります。

 

 

 

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40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
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