内水氾濫が分かると浸水する場所が分かる

内水氾濫が分かると浸水する場所が分かる

 

 

内水氾濫はどうして起こるか

 

内水氾濫が分かると戦国時代の水攻めの方法や都市機能を維持する方法が理解できます。
多量の雨によって水位が上昇すると、江戸川や荒川など国の管理する大河川の水門を閉じ、小河川へ逆流しないようにします。小河川の水位の上昇を防ぐため、小河川の水をポンプで汲み上げ大河川へ排水し調整を行います。
内水氾濫は、小河川の水を排水しきれなくなり発生します。
このため、大河川の水位が下がり、水門を開放すると急激に小河川の水位が低下して水が引きます。床上浸水や床下浸水になりますが、割合水が早く引くのはこのためです。

大河川の堤防決壊のような場合、水深2メートルから5メートルの浸水域が広がりなかなか水が引かない大きな被害が生じ、内水氾濫とは異なる状態になります。

内水氾濫は、短時間に多量の雨が降る俗にいうゲリラ豪雨の時に、付近の水路の水が小河川に集まり、小河川が溢れてしまうと考えがちです。

これも一つの発生原因ですが、既定の水位に達すると大河川の水位調整を行い、大河川から小河川への逆流を抑制したり、小河川から大河川への流れ込む水量を調節するため、水門を閉めます。水門を閉めたままでは、すぐに小河川が溢れてしまうので、ポンプを水門のところに設置して小河川の水を汲み上げ大河川に流します。

最近、短時間の降雨量が増えてきたため、ポンプの排水能力を超える状態となり、汲み上げきれない状態となって、内水氾濫が発生する傾向があります。

また、ポンプが水没したりして故障してしまうと比較的広い地域で床上浸水が広がります。

 

 

浸水しやすい場所

 

江戸川や荒川の堤防が決壊した場合、2015年の鬼怒川の氾濫と同等かそれ以上に大規模な浸水が発生し、都市機能の停止や人口の密集している都市部では10万人を超える避難者が発生します。
国は、アイキャッチ画像のような貯水施設や水門調整など数々の施設を作り防護施策をしています。

大河川から小河川へ流れ込む水量を調整することによって、大河川からの逆流により大河川一帯の氾濫を防ぐことはできますが、水門を閉じられ、ポンプによる排水をする小河川は、ポンプの排水能力により内水氾濫が発生します。

大河川の水門を閉めなくともいい水位を維持できれば、小河川が大河川へ水を流れ込ませるので内水氾濫が起こりにくくなります。
近年、河川全体を時間雨量50ミリでコントロールする施設の能力を超える時間雨量や短時間でも設定を超える雨量の可能性が高まり、大河川全体を管理する施設の能力アップを図る根本的な改善も必要になりつつあります。

大河川に通じる水門付近や住むのに適さないような調整地域に指定されているところは、浸水しやすい場所であることが分かります。

 

 

水門調整

 

水門も小さな水門から、とても大きな水門までいろいろあります。小河川では、車が離合できるほどの水門を全開から半分閉めて流量調整を始めるようなことをすると、閉めるときに流れ切れない水が急激に増えたりするとその瞬間に氾濫してしまいます。
氾濫しない程度に水門の開閉を調整している短時間のうちに、河川の付近の住宅の床下・床上浸水が広がってしまいます。

水門の開閉調整をする付近も浸水の可能性が高いといえます。

 

 

ポンプの限界

 

最近の豪雨は、結構凄まじいものがあります。時間雨量50ミリまで何とか対応できるスペックにしていますが、近年時間雨量や10分間雨量の値が増加しており、今の施設インフラでは対応が難しくなっている根本的な問題もあります。

今のままでは、時間雨量70ミリの場合、ポンプの排水限界を超えてしまう恐れがあります。当然のことながら、ポンプの排水量の能力向上が必要となります。

内水氾濫は、大河川へ流れ込む水門とポンプに対する視点が大切です。河川を制するために多くの施策が施され、頑張っていることが分かります。

 
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