死なない男が仲間を連れてきて、射線の重要性を語る

死なない男が仲間を連れてきて、射線の重要性を語る

 

 

オーラが大きくなった死なない男

 

死なない男のiが本物の訓練を求める仲間達と家にやってきました。iに会うのは毎回楽しみです。会う度に成長しながら変化しているからです。iの連れてきた男達は、ストレートで武骨な信頼度の高いなタイプです。戦場でキチンと任務をこなし、やり抜いてくれる奴らだなとわかります。皆iの先輩にあたるのに、彼の行動に共感を覚え、本物の訓練を追及する仲間となっています。

iは、前に押し出すような積極的な勢いが増しており、その勢いにみんなが共感して集まっている感じです。「いつも思うのですが、生ぬるい訓練をしても意味がないと思うのです。どうしてこんな訓練ばかり、やり続けるのか私には理解できません」と、いつものように、出だしから会話が加速していきます。

「実戦を考えると、心から鍛えないとならない隊員が多過ぎます」と会話は熱を帯び、話し始めると4時間程度は、すぐに経ってしまいます。

このため、懇親会は、午後早いうちから始めます。

 

 

射線の重要性を語る「不遜な男」

 

「iは、よく頑張っていて、俺ももっと腕を上げたいと思っている」、「iが転属して関東にいなくなったら、自分達がiの行なっている休日の戦闘研究会や訓練を引き継ぐ必要がある」と、先輩たちが言うと、iは、ニカッとしながら、「先輩達そう思うのなら、もっと腕を上げてください。フォース・オン・フォースで何故オレがやられないで前に出れるかわからないでしょう」と始まります。

「オレが後ろで前に出ないと、班長前に出ていかないじゃないですか。射線を敵に対してどこまで取っていて、敵を抑え込んでいるか、わからないと敵の射線の中に出てしまうし、敵が撃てないスペースなのに狙われていると思い、前に出て抑え込めないんじゃ後を継げませんよ」

「確実に敵を抑え込む射撃技術と敵との射線の詰め合いで抑え抜いて戦えるセンスを磨かなくてはならないし、敵の居場所を皆に共有させ、射線を厳しく押し込んでいくことを常に考えなければならないのに、やっていないでしょう」

先輩達は、「お前は、スタスタっと前に出ていけるが、まだ俺達お前のような行動はできない。頑張って腕を上げるよ」と言うと、「いつまでも人に頼っているようではダメで、もっと考えながらやらないとだめですよ」とiは答えます。

相手のポケットの中に、手を突っ込んでくるような会話ですが、強い信頼関係の上で、自由に話し合う仲間は強くなると感じます。

 

 

家内が思わず吹き出す

 

iの不遜振りと、性格を知っている家内は、キッチンで思わず吹き出しています。人懐っこく一人前の戦闘インストラクターになっても、やんちゃボーズのところが可愛いようです。

先輩達は、「最初、iは腕はいいが、階級、先輩関係なく超失礼なことを言うので最初はぶつかりました。しかし、隊員が生き残って、任務を達成できることを目指していく方向は同じなので次第に打ち解けてきました。まったく、階級関係なく言いますから」という会話を聞いて、また、家内がクスッと笑います。

私がどうして笑うのか聞くと、「昔と全然変わっていないじゃない」と返ってきます。

「奥さん、私は成長していないのですか」と言い落ち込むiを見て、声を出して家内が笑います。
 
≪次のブログも参考にしてお楽しみ下さい≫
 
何が人をして勇敢にその生命を賭けさせるか-人を動かす言葉-
 

 

 

 

 

自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編: 敵に察知されない、実戦に限りなく特化した見えない戦士の育成
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40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
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本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
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『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
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オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。

 

 

 

オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~
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マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
本書により、マット飼育のコツを積み上げ、皆さんの目指すオオクワガタを作出して頂ければ幸いです。

 

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4 Comments

  1. 喜多長

    ご無沙汰しております。喜多長です。I君は相変わらずのようで思わずこちらも状況が目に浮かびニヤリとしてしまいました。 射線の確認及び確保はやはり場数とエアガンで撃たれて経験していかないといけないとおもいます。まして座学などの、文字や言葉では言い表せないものがありますね。
    昨日も彼から連絡をもらいましてなにか思うところがあるのではと勝手に推測しております。又上京の際には寄らせていただきます。それでは失礼いたします!!

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