熊本地震の特性、余震の連続と避難行動、どのようにすればいいか

熊本地震の特性、余震の連続と避難行動、どのようにすればいいか

 

 

被害を受けているほとんどの家の特徴

 

熊本地震では、14日持ちこたえた家も、16日の本震で完全に住めなくなってしまうほどの被害を受けています。被害を受けている家屋は、共通した所があります。築年数がかなり立っていて、瓦で上が重いため、昔からよく目にする黒い瓦の家がほとんどやられています。普段と同じ状態の新しい家や築20年程度の家の近くで、瓦屋根の家は、一階が完全に潰れてしまったり、大きく傾いたり、瓦が剥がれてしまいビニールシートをかける被害を受けています。

昭和56年以前の古い建物の被害は、甚大です。とても古いビルも、1階がひしゃげたり、大きなひびが入っていて全く使えない状態になっています。

徐々に耐震基準が見直されてきた新しい家屋は、震度6に耐えていることが分かります。頭ではわかっている耐震性の高い家屋は、地震に非常に有効であることを現地の状況により深く理解できます。

 

 

家の中の危険性

 

熊本地震は、今迄の直下型地震のパターンと違い、14日の震度7の後、16日に本震があり、震度5の余震が連続的に発生しており、なかなか余震が減衰しません。

家の中がめちゃくちゃに散乱している状態で震度5の余震が続くと家具で挟まれたり、倒れてきたり、ガラスで怪我をしたり、屋根が潰れる可能性があり、家の中にいる危険性を感じます。特に、夜間停電で何も見えない状態で寝ている時に大きな地震が来ることを考えると安全確保のため、避難所か、夜だけ車中泊をしようと考えます。

車中泊は、災害対応での新たな動きとして捉える必要があります。

避難所は、当初小中学校へ1000名を超える人が避難して人が収容しきれない状態になりました。避難所よりも、家族としてのプライベート空間を持てたり、車からの充電、貴重品の保管、ペットも一緒に入れるので熊本地震では多くの人が選択しました。
避難所は、緊急車両や物資輸送車両が入るため、通常一般の車は避難所へ進入禁止にしますが、熊本地震では、余震が収まるまで当てはまらない状況となりました。

車の中で一泊するだけでも、疲れが溜まってしまうことを考えると厳しい状態ですが、安全のため選択せざる得ない生活を多くの人は10週間程度、現在も続けている人がいます。

ホームセンターなどは、大きな駐車場があるため、多くの人が車中泊をしています。

 

 

心に刻み込まれる恐怖と疲労

 

大きな揺れを経験すると、揺れに対する恐怖が心に残ります。熊本地震では、震度5以上が何度も繰り返されたので、その恐怖も増大し、少し揺れただけでも地震に対する恐怖が何年も心に残ることになります。

陸上自衛隊は、何もない所で寝たり、にテントを立て宿営をする訓練を通常行うため、野外の生活に抵抗感がありません。
しかし、普通の人は、住みやすいアメニティーの中で生活をしています。ライフラインが停止したり、制限された生活は、大きなストレスとなります。

恐怖とストレスの中で、更に、復旧・復興を進めるには、希望が必要だと痛感します。

小学校高学年の児童が避難所生活の手伝いを元気にしている姿は、未来へ光を与えるとともに、明るい避難所になっています。
現実的な復旧・復興とともに、次世代が生き生きしていることが大切だと強く感じました。

 

 

 

 

 

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