子供の時から、そして今でもクワガタやカブトムシの採集の話になると、朝早く起きて取りに行くのですかと聞かれます。採集に適している時期は、早朝と多くの人が言いますが、クワガタ採集を本格的に行うようになってから、朝はそんなに適した採集時間ではないことがわかりました。
小学生の頃、朝の5時に起きて狙いのクヌギの木へ自転車で採集に行き、樹液にいるコクワガタやクヌギの根元を掘って土の中で休息しているガブトムシやクワガタを採集しました。
早朝の採集は、明るくなっていて安全であり、清々しい樹々の中での昆虫採集はとても健全で親子で楽しむのに適しているといえます。
昆虫図鑑で、樹液の出ているクヌギの木にカブトムシやノコギリクワガタ、蛾やカミキリムシのいる写真を見てみると周りが真っ暗であることがわかります。
子供の頃、昼間の樹液にはカナブンやシロテンハナムグリ、スズメバチと蝶がいてなかなかクワガタに会えません。
その時、クヌギの根元の柔らかい土を掘るとカブトムシやクワガタが出てくるので、昼間土の中で休憩しているのてはないかと子供でも漠然と理解できます。
採集の本番は、夜ではないかと思いますが、小学生では夜の外出をなかなか許されなかったり、人里離れたクヌギ林は、真っ暗で幽霊が出そうな怖さがあり夜の採集を試す機会はほとんどありませんでした。
高校、大学、社会人になると次第に宅地化が進み夜の採集どころか、カブトムシもいなくなる環境へ変化するとともに、カブトムシ・クワガタ採集も卒業してしまいます。
結婚して子供ができ虫取りに行くようになった時、子供の頃の朝の採集経験から、カブトムシとクワガタは朝採集するものだという印象があり、早朝に子供と採集に出かけるという伝統を継承してしまいます。
クワガタを採集し、ケースにマットを入れて飼育をしていると気づくことがあります。
昼間、クワガタは、マットの中に潜っていてエサを食べたり、動き回るのを見て楽しむことができません。
反対に夜になるとガサガサ音がして電気を付けてみるとゼリーを食べています。
カブトムシもマットを深く入れるとメスはすぐ潜っていくのがわかります。
カブトムシもクワガタも夜行動する昆虫であることがわかります。
では、何時頃良く活動するのでしょうか。
カブトムシとクワガタには、樹液でエサを食べたり、他の場所へ飛んで交尾する仲間を探す活発な時間帯があります。
この時間を体験するのに適しているのは、ブナ・ミズナラ帯の比較的標高の高い所での外灯に飛んでくるカブトムシとクワガタを採集する灯下採集をするとよくわかります。
暗くなると小さな蛾が飛び始めて、中型の蛾が飛び始めるとカブトムシやクワガタ虫が飛び始めます。
一番多く飛んでくる時間は、夜の20時から22時の間です。
この時間を過ぎると22時までに飛んできたカブトムシやクワガタが近くの外灯を飛び回り、移動するだけなので総数はあまり増えません。
24時を過ぎると山に徐々に戻っていきます。
朝までいると夜明けと同時にカラスや鳥が朝食としてカブトムシを食べに来ます。
特に、標高の高い所では、明け方と同時にカラスが一列に並び、水銀灯や灯りに飛んできたカブトムシやクワガタを食べている光景を見ることができます。
現在、LED電球が普及したため、少ない光景になりました。
朝には、カブトムシやクワガタはいなくなります。
樹液の出ているところで採集をして、次のポイントへ行き採集してから、30分以上経って先程のポイントを調べてみると、またクワガタがいる状態になります。
息子さんと昼間や夕方ポイントの位置の確認と回る経路を偵察をし、暗くなってから手袋と長袖・長ズボンの服装と虫ガードを使用し、懐中電灯を持って夜の樹液探検をしてみて下さい。
22時前まで採集すれば十分楽しめると思います。
夜間採集を行う場合、息子さんに夜間の行動や安全のためのルールをキチンと話して教えると良く守ります。
例えば、「走らない」、「藪の中で勝手に行動して迷子にならないように一緒に行動する」、「ムカデ、スズメバチには近づかない」、「懐中電灯の光を他人に当てない(眩しくて見えなくなるため)」などです。
躾の機会や子供との会話をたっぷり楽しめたり、お父さんの株が上がります。
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