【面接対策】圧迫面接からの脱出方法

【面接対策】圧迫面接からの脱出方法

 

面接において溺れ、窮地に陥った後に藁を掴み生還する技術について、前回「面接で急に質問されたときの判断・決心」に引き続き説明をしていきます。

 

窮地はこうして作られる

 

今回も指揮幕僚課程の二次面接を題材に、溺れた時、窮地に陥った時、なんとか藁を掴み態勢を立て直す技術について、話を進めようと思います。

普通にいいところを引き出そうとしているのに、必ず圧迫が来るとか、圧迫面接をされていると本人が勝手に感じてしまい、自分で自分の首を絞めたり、暗示を自分にかけてしまうというものが結構あります。

更に、窮地に追い込むには、答える内容を否定していくと道がなくなり、慌て始め苦しくなります。これを面接官グループでは厳しい事をいう人、話を否定する人、様子を見ながらヒントを出したり小さな道しるべを示したりして、危機を脱出する糸口を示す人と任務分担をします。

 

 

溺れ始める

 

では、面接場面へ移ります。3日後優勢な敵が攻撃してくるので、どこの地形を使って防御するかを決めようとしている場面です。地形区画によって最も敵に近い場所で防御する線、最も下がって防御する線、その間に存在する地形を利用して防御線とする3案が出るのが一般的です。一番後ろの防御線を私は選択して説明に入りました。

面接官①「では、君がいう伊勢原の線で防御する利点について話して下さい。」、

私、「ハイ、利点は三つ。地形が強いのと隘路という地形を利用し防御する正面幅を狭くできる、地形の優位性、と地形が強いので敵が増強されたり、迂回してきても少ない戦力で対処が可能な、対処の容易性、そして、歩兵戦力の発揮が容易であるという3点です。」

 

面接官②「歩兵戦力発揮の容易性という戦力構成の利点を生かすは、当り前でどの案にも共通するので理由にならないのでは?」、という問いに「この場面では丘陵地形を利用するので歩兵戦力の発揮が重要になると思います。」と答えると、面接官③「思いますという気持ちだけでは理由になりませんよ」。

「地形強度の分析と、敵の攻撃要領の分析をしていないでわかるものでもないでしょう」、という更なる質問に対して、「急斜面で、遠くまで射程を確保できるため、少ない戦力と火力で敵からやられないで戦うことができると思います。」と答えると「また、思いますか。」と面接官のつまらなそうな反応が返ってきました。

 

なんだか少しずつおかしくなってきたな~

 

面接官②「詰めが甘い感じですね」、続けて、面接官③「みんなを納得させるものではないですね。」とこんな感じで会話が弾まず、元気な心も次第に沈む込んでいく感じで追い込まれていくと、焦りが自然に加速していきます。

 

 

藁が流れてきたが気づけるのか

 

「あ~ハイ」と私。

面接官④「戦車の数と対戦車火器の数はどうなんですか?」(とんでもない、変な角度から来た質問だぞ。なんなんだ?)「えー戦車は、敵が4倍近い戦力です。対戦車火器はトントンです。」

面接官④「そうですか、対戦車火器の性能はどうですか?」

(なんだかまたしつこく変な角度で来るなー)「射程は2種類あり、1つは同等で、もうひとつは我の方が長いです。」と答えると、面接官②「これはどういうことですか」

(さっきからこの話の意味が理解できなくて言われた通り答えただけなのでどういうこととはこっちが聞きたい)

「エー強みです」

面接官④「先程の理由と関係ありますか?」

 

(むむむむ、む、ウン?ピカッ)っと頭に閃いたものがありました。

 

面接官④「何か気がついたようですね」。

 

「ハイ。軽対戦車ミサイルは同等の状態ですが、中型対戦車ミサイルは、射程が長い分、射撃機会が多いので、射撃回数は実際の配備量の2倍近く射撃ができます。

戦力的には2倍あることになります。この強い地形を使い、敵の優勢な戦車を撃破する態勢を対戦車ミサイルによって構成することが我の勝ち目です」と答えると、面接官①「次に進みましょう」と次の場面へ移行しました。

 

 

藁をつかみ生還

 

面接官④が川に流されて、だんだん溺れそうになっている私に救いの手を出してくれたのです。所謂、藁を流してくれ、私がそれを見落とす(立て直すチャンスとして生かせない)か、上手く掴むかを試したということです。

ピンチを切り抜けるものを持っているか、立て直しをして前に進めることができるタイプなのか、信頼できるタイプかというものがこの面接でわかります。

このように、気持ちを落ち着かせて、慌てずに一つ一つ丁寧に、よく質問を聞いて進めて下さい。

一発で窮地を脱出するのことを狙うと益々深みにはまり、焦ってしまうものです。

ほとんどの人が自爆してしまいます。面接官サイドからすると、とてもわかりやすい藁を流しているのですが、受け取る方は「変な角度の質問だ」とか「アーわからない」というように受け取ってしまうのが、よくあります。

恥ずかしくなるほどわかりやすい「藁」を流しているのですが、その藁から遠ざかり、果てしない方向へ流れていく場面が多いです。

藁を掴む要領を身に付けてください。

 

 

 

 

 

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オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
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