駐屯地に入るとすぐ、又は2~3分で、「溌剌とした伸びやかさ」を感じたり、「風通しが良い状態」や「意気消沈して暗い状態」など、駐屯地全体が醸し出す雰囲気と隊員の意識レベルを感じ取ることができます。
1000名を超す隊員が考えていることや全員のやる気が集まり、駐屯地や部隊の雰囲気を作り上げているからです。
この意識を作る頂点にいるのが、部隊長です。
連隊長は、部隊・隊員の育成、モチベーション管理、チームワークなど、部隊を作る90%以上に影響を与えます。
生き生きと伸びやかに成長している部隊を作る環境は、隊員の力を結集して連隊長が作ります。
部下がやる気がなかったり、事故が多いのは、連隊長の部隊運営に問題があるからです。
更に、部隊・隊員は、自分を映し出す鏡です。
連隊長は、気が緩んでいてはできないものです。
自分は、「圧倒的に強い部隊」という雰囲気を作るように日々目指していたことを思い出します。
今回駐屯地に入った時、式典を通じて感じた雰囲気は、「柔らかさと心地良さ」、「隊員が伸び伸びやれる環境がある」というものでした。
この雰囲気は、部隊・隊員を大きく成長させるものです。
更に、隊員の行動や訓練展示を見ていて質が高いことがわかります。
歴代の連隊長が蓄えてきたものが大きく花開く時が近い予感を感じました。
太鼓演奏は、小倉で見た中で一番の出来でした。選曲、曲の長さ、力強さ、統一感、共に素晴らしい出来です。
積み上げてきた技が光るのと若い世代が多くなっていました。
どうしても、バチを戦闘用のスティックやナイフの振りと連動させてみてしまい、前列真ん中と特に右隣のスティックの走りの良さに感動し、「彼等は強い兵士になるな」と思ってしまいます。
大太鼓を叩いている隊員の右の振りは、凄いと感動しながら太鼓演奏を楽しみました。
模擬戦は、陣地攻撃の場面でした。
砲迫による援護射撃の間、普通科部隊が匍匐前進により敵陣地に近接、障害を処理し、最終弾落下とともに、突入して敵を撃破する典型的で基本的な訓練展示でした。
わざわざ装甲車両から降りて、匍匐しながら突撃みたいにするのを、今でもやるんですねという声もありましたが、隊員の装具は、それぞれ工夫しており、海外派遣を経験したメンバーや実戦的な訓練を追及するメンバーが、可能な限り指導をしているのがわかります。
射撃姿勢もまあまあしっかりしていて、これなら近接戦闘やCQBも訓練する環境ができ上がれば、上達するなと感じました。
来年の記念行事での隊員の成長と訓練展示が楽しみです。
連隊では、初めての試みであり、陸曹が中心となり、他部隊へ研修に行き、展示内容を組み立て、短期間に訓練を行い仕上げた89式小銃を使用したファンシードリルは、隊員の質の高さとチームワーク、モチベーションを感じるものでした。
新たなことにチャレンジすることは、成長に直接つながり、部隊を強くしていきます。
各地の記念日行事を見て目の肥えた女性が、「レベルは、まだまだの状態であるけれど、式典を華やかにさせるファンシードリルは良かったんではないか。見ていてなかなか、あれはあれで楽しかった」と言っていたのがファンシードリルの評価だと感じました。
次は、本格的な戦闘場面や地味な実戦の行動を訓練公開するチャレンジをぜひ見たいと感じました。
頑張って下さい。
≪栃木地方協力本部記念行事≫
小倉の次に勤務した栃木地方協力本部の記念行事も同じ日にありました。来年は、日程が上手く合い、両方参加できればと考えております。
栃木地方協力本部の益々の発展を祈念致します。
自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編: 敵に察知されない、実戦に限りなく特化した見えない戦士の育成
【kindle本が出ました】
二見龍レポート#2 コンバットメディックの照井資規、弾道と弾丸を語る
二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談
40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。
そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。
40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
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オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
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オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~
マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
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