相手の心に注ぐ言葉と会話を身に付ける方法

相手の心に注ぐ言葉と会話を身に付ける方法

 

 

話すタイミングを逃してしまう人

 

会議の場で話す内容を考えているうちに、発言の機会を逃してしまったり、言おうと思ったら、次の話題に進んでしまい、また喋ろうとしたら、次に進んでしまう状態や先に話されてしまい言いそびれてしまった経験がありますか。

上手く話せないと、悩んでいる方はおりませんか。私も悩んでいた一人です。

自分は、高校時代から人見知りが激しくて、余り他人と一緒にいるのは好きではありませんでした。数人の中の良いメンバーといれば満足で、人と話すのも上手くない高校生だったと思います。会話を他人とするというのも何だか面倒くさいと思っていたので、将来は、離島で魚の研究を限られた人としようかなと考えていました。

そうすると、若い女性も少ないようなへんぴな島だったら結婚相手を見つけられるかな。とまったく違う面の心配なんかをしていました。

 

 

陸上自衛隊の普通科隊員になる

 

人生はわからないもので、いつのまにか、人と接するのがほとんどという陸上自衛隊の普通科職種を選んでしまいました。三浦半島へ父親と釣りに行った時に、防衛大学の学生が制服姿でコートを来ていたのがカッコよく、父親に「防大行くか」と言われて、「ウン」と言ったのが人生の転機でした。

話が下手なのは相変わらずで、説明や報告をする時、大事なところで噛んでしまったり、話がうまく伝わらなかったり、会話についていけない毎日に直面することとなりました。流石に、ボーとしていた頭でも、「このままではまずいなー。何とかしないとならないぞ」と考えるようになり、色々な会話に関する本他って読んだりしてみましたが、ちっとも効果がなくて、とんでもない職業を選んでしまったなと思うようになってきました。

指揮幕僚課程の試験も近づいてきて、部隊では模擬面接があり、どう話してもやり込められてしまうようなグダグダの試験前の模擬面接を繰り返していました。だんだん面接が近づいてくると知恵熱みたいなものなのか37.5度の熱が常にあって体がだるい状態が続いており、これは何とかしないといないと真剣に感じました。

人が話しているところに、スッと入ってきて話題をとっていってしまう。なんでこんなタイミングで、話もちゃんと聞いていて、全然違うことを言わないで上手く会話を続けてしまう。どうしてできるのか。不思議だといつも思っていました。

 

 

人の話を聞きながら次何を話すか考える頭脳

 

信頼できる先輩に相談してみるのがいいかなと思い、正直に現在の状況と熱が出て下がらない状態と焦る気持ちを話したところ、「そりゃそうだよ。面接官が3人もいて君よりも経験と知識が豊富なんだから、君が何度勝負しても勝てないよ」そして、「いい話を聞き、自分もいい話ができるようにすればいいんではないか」と「話をしてこの3人に勝とうとしていることが無理なんだよ」と話してくれました。そうだよなーと納得。

次に問題の質問をしてみると、「あのー、会話についていけないんですが」というと、「喋れるようにするには、頭のちょっとした動きを修正する必要があるから、できるまでやってみたらどうかな。」そして、「これは、ずーと磨いていくべきものでもあるんだよ」といい、本題に入りました。

「僕もいつも心掛けているんだ。」と言い、「NHKの7時のニュースがあるだろ、あれはねー、1分間に120文字喋るようになっていて、一拍おいて次のニュースを読むという特徴があるんだ」と、「だからどうなんだ」と心で思っていると、続けて、「一拍おくタイミングというか間合いに、君のそのニュースに関する感想を言うように毎日トレーニングすることだ」、やっぱりこの先輩は只者
ではないなと思っていると。

「最初は、たぶん短い間隔なので言葉を入れられないだろうけど、アッとか、ウッとか言っているうちに、そう思う、とか言えるようになるよ。」これを続けていくうちに、少し言葉を入れられるようになったら、次どうどうするか、という話になりました。

「感想を言っている間に、次のニュースを読み始めてしまうよね」その通りだけどと思っている私、「自分の言いたいことは、次のニュースを読み始めても話し続けながら、次の話をちゃんと聞いていて、ニュースが読み終わったら、また自分の感想をできるだけ、長く言い、始まってしまう次のニュースも聞くという二つの事を頭の中で対応できるようにしながら喋りも加えられるということをトレーニングするんだ」と。凄い人だなと思うとともに、できるのかなと思いました。

次の日からチャレンジです。「アッも言えんし、言おうとするとニュースの内容を聞くということが疎かになってしまう」という繰り返しの日々となりました。家内は、その姿を見ると、「最初は何か辛いことでもあるの」と言っていましたが、トレーニングをしていると理解すると微笑みながら、「テレビとの会話は何時になったら終わるのかしらねー」、「毎日、ずーと帰ってきたらテレビとペラペラ話しているとは人に言えないわね」と少しずつ話せるのを温かく見守ってくれました。

人間というのは、慣れというか、適用力というのがあって、「そうだ」とか、「反対」とか言っているうちに、自分の考えを話せるようになりました。でも、そうすると次のニュースを聞きとれず飛ばしてしまい、立て直そうとすると喋りも聞くのも崩れてしまうようなことを繰り返していました。半年続けていると、自分が話している時に、NHKのアナウンサーの話を聞いて反応できるようになりました。

こうなったら、次にチャレンジしようと思い、サンデープロジェクトという日曜日の10時にやっていた討論を熱くしている番組を見て、隙あらば自分の話をしようとするゲストの議論に自分も加わることをしてみました。意外とできる自分に驚きました。今は、丁寧に話すように心掛けています。話術は奥が深いです。

面接の結果ですが、また、機会があれば、紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編: 敵に察知されない、実戦に限りなく特化した見えない戦士の育成
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【kindle本が出ました】

 

二見龍レポート#2 コンバットメディックの照井資規、弾道と弾丸を語る
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二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談
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40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
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本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準

 

 

『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界

 

 

オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。

 

 

 

オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~
オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~

 

 

マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
本書により、マット飼育のコツを積み上げ、皆さんの目指すオオクワガタを作出して頂ければ幸いです。

 

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