「集中する」、「ゾーンに入る」入口を作る方法

「集中する」、「ゾーンに入る」入口を作る方法

 

 

ゾーンに入った状態

 

大学時代、関東空手リーグ戦などの空手の試合で、今でいう「ゾーンに入る」経験をしたことがあります。1年に1回程度で発生し、いつゾーンに入るかわかりません。ゾーンに入ると、視界全体が薄くかすみがかかっている状態になり、身体には何も力が入っていない状態で、身体が力みなく自然に動いている自分を、少し上から見ている感じになります。

「やめ」の声でかすみが消え、普通の状態に戻ります。
「白、上段突き技あり」と審判が私の方に手を伸ばし、相手から技ありを取ったことを示しています。

「続けて、始め」の号令がかかると、いつの間にか辺りにかすみがかかっています。
相手の動きがぼーっとしていてはっきり認識できない状態ですが、スローモーな感じで自分の方が早く動ける感覚になっています。

「中段突き、技あり、合わせて一本。白の勝ち」と審判の声と、同時にいつもの世界に戻ります。
リーグ戦のため、試合数が多いのですが、毎回、試合が始まるといつの間にか、かすみがかかり始め、自然に身体が動くゾーンの状態になりました。

何をすれば、辺りにかすみのかかるゾーンに入るか、色々考えたり、試したりしましたが、わかりません。
毎回、ゾーンに入った日は、試合後の食事会や反省会で、両腕が肘から下がブルブル震えてしまい、コップにビールを注いでもらえないほど、コップを固定できない状態になります。

1時間ほど経つと震えが止まります。
不思議です。

そして、なぜ、ゾーンに入ると、力まず理想な動きが自然にできているのに、試合後、物凄くきつい負荷の運動を長時間した後のように、腕や他の筋肉がふるえるのか、わかりません。

 

 

集中した状態とは

 

サッカーでは、相手がコーナーキックを蹴る時や、ゴール前でのフリーキックの時、「集中しろ!」と言っているのを耳にします。
その時の選手の表情は、必死の形相で頭をフル回転させ、一つのミスもしないようにします。
「集中しろ」は、チームとしてのまとまる重要な言葉だとわかります。

しかし、この状態が、本当に人間が「集中」した状態なのでしょうか。
顔から身体、頭に至るまで力を入れた状態で、何かあったらすぐに対応できるか疑問があります。
ガチガチの状態では、動きがぎこちなく堅くなってしまい柔軟な動きは姿を消してしまいます。また、ある一点に視点を集中させてしまうと、周りが見えなくなってしまい見落としが出てしまいます。

ネイティブアメリカンの狩りの技術では、「集中」とは、目の焦点を合わせることなく、ボーとした形で全体を見ている状態にし、身体の力みを取り、どのような変化にも対応できるようにするといわれています。
武道の全体を見る「八方目」と柔軟に対応できる「自然体」に似ています。

視覚に入ったもので反応するのではなく、身体で感じ取る野生の感覚が集中の極意ではないかと思います。

 

 

全力本気で常にやる

 

ゾーンに入る機会の多かったハンマー投げの室伏広治氏は、ゾーンへの導入のためのいくつかの行動を著書で紹介しています。

「練習を全身全霊で行う」ことです。

当たり前のような言葉ですが、戦いの中で生きてきた極真会館の高弟、黒崎健時氏も「力をセーブした突きを千本するならやらない方がいい。一発で倒せる渾身の突きを10本やるべきである」といっています。
全力で練習することによって、試合や本番で、ゾーンの入口が開くのではないでしょうか。

私も、空手でゾーンに入る前に行っていた練習は、自ら限界に近い状態に追い込み、1㎜でも限界を突破しようとしていた状態だったと思います。

 

 

イメージと現実の重複

 

もう一つ、室伏氏は、試合場でイメージトレーニングを行い、イメージしたことを確認することによって発生すると言っています。

イメージトレーニングは、試合会場のハンマーを投げる場所に立ち、自分が投擲する姿を明確にイメージし、手から離れたハンマーの描く軌道とハンマーが何メートルの線に落ちるかまで、頭の中に描きます。

頭の中で描いた投擲イメージなら、80メートルの線まで飛んだ。と頭の中の投擲イメージとハンマーの描く軌道と飛距離までイメージと現実を近づけていきます。

これができた後、投擲する場所からハンマーが描く軌道を思い浮かべながら、着地地点まで歩き、イメージと現実を近づける動作をする方法です。

私も、自分の繰り出す技のイメージと実際の動きを何度も重ね合わせながら稽古を行い、完成形を作り上げていくことをしました。
また、寝る前のイメージトレーニングでは、イメージがだんだんリアルな感じになってきて汗が出たり、遂には、できるかどうか心配になり、消灯後屋上でイメージと実際の動きを確認した覚えがあります。

 

 

室伏広治著「ゾーンの入り方」

 

室伏広治氏は、年齢を重ねると、若い頃の練習量と同じ量を行うと、身体を壊してしまったり、怪我が多くなるため、身体の各機能を連動させることによって、練習量を落としても、同等以上の効果を得られる方法を考え出しました。

その方法は、バーベルの両端にハンマー投げ用の鎖と鉄球を吊るし、ゆらゆら揺れる状態で筋力トレーニングをすることによって、バーベルを上げるための筋肉だけでなく、バランスをとるために身体の各機能が鍛えられる斬新なものです。

父のコーチングについても、記述されており、参考になる内容満載の本です。

 

 

ゾーンの入り方 (集英社新書)
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【kindle本が出ました】

 

二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談
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40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
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本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
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『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
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オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。

 

 

 

オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~
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マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
本書により、マット飼育のコツを積み上げ、皆さんの目指すオオクワガタを作出して頂ければ幸いです。

 

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