改革を阻む居心地のいいコンフォートゾーンからの脱出

改革を阻む居心地のいいコンフォートゾーンからの脱出

 

 

コンフォートゾーンという世界

 

 意識改革や努力をせずとも、毎日同じ業務を淡々と継続できる状態は、毎日平穏で、居心地のいい環境です。人は、居心地の良い環境から出ようとしないものです。
 この居心地のいい状態、場所をコンフォートゾーンといいます。コンフォートゾーンにいると、周囲と摩擦が発生することなく過ごすことができます。

 自分の立ち位置は、成長しない状態にあるということを、認識しなければなりませんが、居心地が良く一度コンフォートゾーンに入ると、なかなか抜け出せず、このままの状態がいいという意識になるのにあまり時間を必要としません。

 いつの間にか、抜け出そうとするメンバーやコンフォートゾーンを無くそうとすると、どうしてわざわざいい環境を壊すのだと、動きを止める行動をとります。

 こうなってしまうと、延々と成長しない状態に陥ります。

 

 

居心地が良く不安を感じることは無い

 

 コンフォートゾーンの中にいると、居心地がいいので、不安を感じることがありません。

 このため、環境や意識を変えようとした場合、コンフォートゾーンにどっぷり漬かっている人からすると、何故上手くいっている状態なのに、変える必要があるのか、何か問題があるのか、無いのに何故変える必要があるのかと、

 コンフォートゾーン側からすれば、正しく当たり前の反応が起こります。
 
 この状態になると厄介です。変えないことが正しいことだ、変えることを阻止することは、正しい行動だと信じているからです。

 さらに、脳は、コンフォートゾーンが好きで、抜け出すようには働かないのです。

 

 

人間の頭の構造は断る名人

 
 
 何かしようとした時、断ろうとする動きに脳の90%が働きます。やろうとするように働くのは、脳の数%程度しかないといわれています。

 例えば、「週末の金曜日の夜、残業してくれないか」と言われた時、「デートの予定があります」、「飲み会があります」、「家内の誕生会です」、「疲れがたまって体調が悪くなるかもしれません」など、色々できない理由が頭に浮かび上がり、すぐに10個のできない理由が出来上がると思います。
 
 やろうとする意欲を持ったり、チャレンジをするように、脳ができていないのに、何故、人類は発展してきたか疑問が出てきます。

 たった数%でも、何かをすると人間は、「気づき」があり、この気づきを連鎖することによって進化してきたといわれています。

 何かをすれば、気づきがあり、次に進み、また気づきを得て成長していくことを繰り返してきたのです。
 
 人の意識を改革するには、納得するまで丁寧な説明を行い、説得をしなければなりません。

 行動するところまで進むと、気づきがあり、物事が進んでいきます。

 

 

自分の能力に合わさせて仕事をすると日々楽

 

 上司は、20年以上やってきたことを続けることができれば、今までの経験の蓄積もあり、とても楽に過ごすことができます。

 新たな内容や今までとは異なったシステムの中で、仕事をしなければならなくなると、新たな知識を吸収し、経験のない世界で部下とともに、仕事をしなければならなくなります。

 新たな環境への適合は、若いメンバーの方が理解も早く、すんなり入っていけます。

 コンフォートゾーンから出たくないのは、このような意識も作用するので厄介です。
 
 上司の中に、自分のレベルに合うまで仕事のレベルを落とさせるタイプがいます。

 自分の「イメージ」、「考え」、「経験」の範疇にないものは認めず、自分の理解可能な「狭く」、「昔から行っている内容」や「従来のパターン」になるまで部下のアイデアを指導して通さない上司です。

 ルーティーンワークをしているところは、特に、その傾向が出やすい環境になります。

 程度の差はありますが、いろいろな部署に存在しているかもしれません。

 

 

 

 

【次のブログも参考にお楽しみください】

 
仕事が早く切れ味のいい若手社員は改革を進める原動力となる
 
チャレンジするタイプは肯定派
 
元米国陸軍大尉 飯柴氏から「40連隊に戦闘技術の負けはない」へのコメント
 
戦闘に必要な技術・体力を練成する40連隊のレンジャー養成訓練と体育訓練
 
成長する部下、伸びる部下、将来楽しみな部下は全体を掴むセンスがある
 

 

 

 

 

自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編: 敵に察知されない、実戦に限りなく特化した見えない戦士の育成
自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編: 敵に察知されない、実戦に限りなく特化した見えない戦士の育成

 

 

 

 

 

【kindle本が出ました】

 

二見龍レポート#2 コンバットメディックの照井資規、弾道と弾丸を語る
二見龍レポート#2 コンバットメディックの照井資規、弾道と弾丸を語る

 

 

 

 

二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談
二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談

 

 

 

40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術

 

 

本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準

 

 

『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界

 

 

オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。

 

 

 

オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~
オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~

 

 

マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
本書により、マット飼育のコツを積み上げ、皆さんの目指すオオクワガタを作出して頂ければ幸いです。

 

関連記事紹介

1 Comments

  1. Pingback: 改革を進める重要なポイント-改革は不可逆なものであること- | 戦闘組織に学ぶ人材育成

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です