チャレンジを止めるアンカー(錨)とオウム真理教の洗脳

チャレンジを止めるアンカー(錨)とオウム真理教の洗脳

 

 

洗脳の恐ろしさ

 

 上司からパワハラや理不尽な対応をされ続けると、かなり精神的に強いタイプでも、次第に洗脳に近い状態に陥ります。影響力の大きい人物が行うと理不尽な対応をされている本人だけでなく、組織全体まで影響は広がっていきます。洗脳で問題になったオウム真理教を見てみると、オウム真理教は、東大出身者などの頭のいい信者が、当時の最高レベルの洗脳技術を用いてオウムの信者に洗脳を行っていました。
 オウムの洗脳を解いたり、脱会が何故できないか、不思議に感じたと思います。オウムの行った洗脳は、強力で解くことのできないアンカーを色々な場面で発動するように設定されていたからです。

 例えば、脱会しようとすると、脱会を止めるアンカーが発動します。脱会した瞬間炎に包まれて焼かれる映像が現れたり、不幸な死を迎えると頭が支配されてしまい、そんな怖いことはできないと、思いとどまるようにアンカーが打たれているのです。
 脱会しようとするあらゆる場面でアンカーが発動されるように作られたオウム真理教の洗脳技術は、極めて高いもので、解き方を解明できた人はたった一人(苫米地英人氏)だったようです。

 

 

アンカーの発動と洗脳の継続

 

 オウム自身も洗脳できるが解けない洗脳を使っていて、オウムも解けませんでした。洗脳の恐ろしさを知り、悪用されることがないように、この事件を機に洗脳に関する書籍は姿を消します。
 例えば、チャレンジすることなく今の状態を継続するように洗脳した場合、チャレンジしようとすると、失敗して散っていった仲間の姿や酷い目にあった状態が浮かび上がったり、やるだけ無駄、マイナスになるようなことをやったら損という「アンカー」が発動されます。
 このアンカーによってせっかく行動起こそうとしても、元の状態に引き戻されてしまいます。
 さらに、「変わらない方が誰も苦しむことはなく平和にやっていける」、「チャレンジして変化すると、大きな歪ができ組織が崩壊する」、「チャレンジした時の10年後は大変なことになっている」というように、その引き続き洗脳された状態は継続していきます。
 洗脳の影響を受けないようにするには、アンカーを発動させないようにしなければなりません。
 アンカーは、過去に思いを巡らした瞬間に発動されます。そのため、アンカーの発動条件を作らなければ、アンカーは発動されず、洗脳の影響を受けずに行動できます。

 

 

チャレンジする活力ある組織へ

 

「過去に思いを巡らす」、「チャレンジする時にネガティブな反応を感じる」をさせなければ、前に進めるのではないかと考えます。

○「過去に思いを巡らす」を解く
 ・ 過去の話しではなく、これからどうするかを考え、行動することを優先する
○「チャレンジの時ネガティブな反応を感じる」を解く
 ・ 上司はこれからの未来を見つめて話し、実行する
 ・ 上司は、部下の提案の具体化を後押しする。そのためのコミュニケーションを大切にす
   る
 ・ 上司としてのステイタスを見せるため余計なひと言は言わない。いうならば良いところ
   を褒め、さらに良くするための助言をする

 まず、洗脳のような状態にならない組織運営が必要です。もし、洗脳のような状態に陥り、チャレンジできない状態になった場合、チャレンジをやり切り成功させることによって、アンカーは発動されなくなります。
 躍動感溢れる組織を作り、充実した勤務のできる環境をにして下さい。 

 

 

 

 

 

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そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
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『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

 

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