2019年1月8日に誠文堂新光社さんから、「40連隊の見えない戦士たち」を増補・再編集して単行本第1弾として発刊されました。S氏と濱田氏のスカウト技術を撮影した画像などが加わり、コラムも設けられ充実した内容になっています。本の厚さも、思った以上でした。本を持った時の重量感が紙の本になったことを実感させてくれます。
手作りのKindle本も、とても味のあるものですが、出版社から発刊された本は、細部まで本作成技術が生かされ、本を愛する編集担当の方たちの愛情が注ぎ込められ丹念に仕上げられているのを感じます。
本を手にした時、味わったことのない充実感と感動がありました。
出版社の尽力により、本書を小倉駐屯地や福岡駐屯地などに置いて頂けるように進んでいると聞いております。
小倉で連隊長の職に就いていた時の問題認識は、次のような問題認識でした。
自衛隊を取り巻く環境は大きく変化しています。昭和の時代は、厳しい国内外情勢の中で一つ一つ確実に防衛力整備を行いましたが、使用されることのない「存在するところに意義がある」自衛隊でした。
平成に入り、冷戦が終了し不安定不確実な時代の中、、国際貢献活動や災害派遣を行い「行動して評価される」時代を迎えました。
この間、第一線部隊の訓練は、「敵は友軍、弾は空砲」の域から、どこまで時代が必要とするレベルまで進化してきたのか考えると厳しいものがあります。
訓練内容は、情報よりも部隊を如何にうまく動かせるかどうかを評価する傾向は変わらず、見栄えのいい訓練を追求する姿も変わっていないように感じます。実戦的な訓練と称して、何が実戦的な訓練かという認識は、定まっていないと思います。
戦場で行動することがあれば、銃自体の性能向上の遅れ、機関銃の更新の遅れ、サプレッサーやスコープの配備が進まない現状は、第一線の隊員の犠牲に結びつきます。
訓練内容の改革・改善が行われなければ、敵と同じ性能の体力と装備を保有していても、訓練の質の差で倒されてしまいます。必要な装備と訓練が行われずに倒れる隊員は、納得がいかず悔しく、無念と思うでしょう。
さらに、戦い方がワンパターンであり、各種戦法がなければ、部隊ごと崩される恐れがあります。
当時、「実戦で、任務を達成して生き残り帰ってこれる部隊・隊員の育成」を如何に作っていくか毎日考え、部隊・隊員と進めていた訓練の内容をKindle本の「40連隊シリーズ」で書かせて頂きました。
そして、今回「40連隊シリーズ」の単行本として、『自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編』の発刊に至ったのです。
本書を陸上自衛隊の新隊員の基礎教育、陸曹、幹部の教育訓練に活用し、実戦で威力を発揮する生き残り任務を達成する隊員の育成に生かして頂ければ幸いです。
また、自衛隊の教育訓練に限らず、一般の方も本書を日々の生活や仕事に生かすことができると思います。
自分の置かれた状況を評価する「今のコンディションは?」「組織・職場のベースラインのつかみ方」「用心深い思考と行動」「いついかなる時も基本を確実に行う」「勝負はどこまで詰めたかで決まる」「価値を理解すると行動が変わる」、「信頼関係の構築が行動の基本」等、ビジネスパーソンが、現実の社会という戦場で生き抜き任務を達成するため、本書から多くの戦う武器や戦い方をつかみ取って頂ければ本望です。
よろしくお願い致します。
PS:40連隊シリーズ単行本第2弾は、3月発刊の予定で進んでいます。
自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編: 敵に察知されない、実戦に限りなく特化した見えない戦士の育成
本日買いました。今読まさせていただいています。
伊丹 ヨシ
ヨシ様
そちらの書店にも置いてあるのですか。
ありがとうございます。
健康管理に留意され、益々の発展を祈念します。
頑張って下さい。
二見