幹部やリーダーは、「素直さ」、「物事を客観的に見る」、「自分自身を実力よりも高く評価しない」視点と姿勢が重要となります。フィルターをかけずに、自分自身、他人の能力を公正に評価する場面や判断が絶えず求められるからです。そして、自分を正しく評価できる人は、部下や組織を正しく導くことのできる人物でもあります。
このような人物は、感情をむき出しにしたり、愚痴めいたことをこぼしたりすることなく、自分の本心が、仕事に及ぼす影響を理解しながら、素直に表現できているかを確認しながら、会話をすることができます。
例えば、「感情に流されてしまい後悔した経験はありますか」という問いに対して、素直に失敗の経験を口にしたり、笑顔で失敗談を話せるかどうかを見ます。
自分を正しく認識している人は、自分の限界や長所を理解しているので、気軽に話すことができ、アドバイスや意見を受け入れ、プラスの方向へ発展させる素地があります。
反対に、自己認識が劣っている人は、後悔した経験に対して改善を求められたり、意見を言われると、それを叱責と勘違いして受け止めたり、マイナス点を付けられたと勝手に思い込みやすい特性があります。顔に正直に出てしまいます。
「素直な心」を軟弱さと取り違え正当に評価をしなかったり、幹部やリーダーとして多くのことを受け入れる懐の深さと穏やかな心の維持が十分にできなかったり、タフさに欠けると、正しく物事を捉えることができず、公正、正確に欠けた物事の捉え方をしてしまいます。
次世代を担う幹部・リーダーの候補者を探す時、「自分を正しく認識できているかどうか」、このポイントの確認が重要となります。
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人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。
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