2019年8月1日、二見龍レポート#5『見えない戦士の作り方-実戦的スカウト訓練-』が発刊されます。
S氏の話す内容は、鋭利で音もなく敵を倒す実戦に特化した凄みのあるものです。しかし、彼の言葉には力みや感情の起伏が一切ありません。そして、いつの間にか、対談は柔らかな光の差し込む豊かな森の中を二人で歩きながら気持ちよく会話をしている感じで進んでいきました。
このような状態に自然に導かれて行ってしまうのは、S氏が高いスカウトの戦闘技術を身に付けているからだと思っていました。ただ、それだけではないことはわかっているのですが、それが何なのかはっきりしませんでした。対談を重ねていくうちに、覆い隠していた霧が徐々に晴れ、現れてきたものは、『自己抑制』と『不屈の意思』でした。
その言葉がストンと腹落ちしたのは、S氏がスカウト訓練を受けている時、スカウト・インストラクターから言われた『スピリット』を聞くことができたからです。
「的確に行動し、確実に前進し、力みもなく迷いもなく躊躇もなく恐怖もなく、ただひたすらスカウトとしての毎日を全うせよ」、「忍耐とひたむきな努力を厭わない者がスカウトであり、責任と覚悟を貫いてこそスカウトチームである」
この内容を実践する訓練は、恐ろしく長い『静』と過酷な『動』という想像を絶する訓練の連続であることがわかります。極限状態の中、常に冷静な自己と不屈の意志を保持することが求められ、訓練と同じレベルで常に日々の生活も行なうことにより、さらなる高みを目指し続ける。
これがスカウトの『スピリット』であり、『自己抑制』と『不屈の意思』がスカウトの中に大きく強い核となって存在し、その上に戦闘技術を身に付けている最強の強さを発揮するのが、スカウトであることがわかりました。
二見龍レポート#5 見えない戦士の作り方ー実戦的スカウト訓練ー
自衛隊最強の部隊へ-CQB・ガンハンドリング編: 牧歌的訓練からの脱却。第40普通科連隊を変えたガン・インストラクター
自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編: 敵に察知されない、実戦に限りなく特化した見えない戦士の育成
警察・レスキュー・自衛隊の一番役に立つ防災マニュアル (DIA Collection)
【kindle本が出ました】
二見龍レポート#4 二見龍レポート#4 スカウト技術を現代戦に生かす
二見龍レポート#2 コンバットメディックの照井資規、弾道と弾丸を語る
二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談
40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。
そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。
40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。