芳醇な日本酒との出会い -東北-

芳醇な日本酒との出会い -東北-

 

 

頭が割れる日本酒

 

若い頃から、日本酒を飲むと「ああこの味だよな」と思いながら、美味しさではなく長くしつこく乱れる感じで酔い、日本酒で酔った次の日は頭が割れそうな二日酔いに悩まされます。

電車通勤の仕事になると、乗車間しっかりしていなければ、見たこともない駅まで行ってしまったり、次の日の仕事を考えると、わざわざ飲む必要のない酒になっていました。サワーやビールもこの時から充実してきて、日本酒離れが全国的に広がっていきます。

ただ、美味しい日本酒を追いかけることを趣味としている事務官が、「futamiryu、この酒を飲んでみて下さい。旨いですよ」と言われて、興味がまるでなく銘柄もわからないまま、冷蔵庫から取り出して大事そうに抱えてきた酒を飲んでみると素晴らしく旨かった記憶が残っています。

 

 

ケミカルの味

 

居酒屋で日本酒を飲んでみると、素晴らしく美味しいあの日本酒ではなく、いつもの匂いと味がありました。ツンとくるのと、なんだかべったり甘く絡みつくのと、後味に化学調味料が口に中に広がり最悪です。ケミカルで大量生産をしているからです。温度管理が必要であり、紫外線に当たると即座に味が急激に落ちてしまう、とてもデリケートで不安定な酒であることは全く知られていません。

 

 

酒蔵をまわる

 

仙台勤務になった時、単身赴任で行っていることもあり、東北6県を巡り東北を楽しみました。驚くのは、各地に造り酒屋が多いことです。酒蔵の見学では試飲もでき、酒蔵見学がお気に入りになりました。

寒い冬、暖房を入れずに米を洗ったり、蒸したりします。酒蔵はとても寒いところです。蒸した米に麹をまぶし定着させる部屋はシャツ1枚の温度に保たれて多湿のため汗をかきながらかき混ぜています。

大きな樽に入れて発酵させている17日の目のもろみたっぷりの白いお酒の子供を特別に味あわせて頂くと、女子高生のような若々しく元気な美しさを感じます。21日目の白いお酒の子供は、女性として成長し輝く素晴らしい美しさを感じました。女性に例えたのは、娘に深い愛情を注ぎ、大事に育てている父親の思いと日本酒造りと共通するものを感じたからです。出荷する時は、愛情と技術とこだわりと伝統を持って接した娘の様な日本酒を嫁に出すのと同じ気持ちになります。

 

 

身体に優しく、笑顔になる日本酒

 

東北でお酒を飲むと、とても楽しい気持ちになり、友と多くを語れる場になることを知りました。それぞれの造り酒屋が丹精込めて作ったお酒は芳醇で素晴らしい味です。

生酒というのも知りました。お酒を大きなタンクに貯蔵する時に火入れという過熱をします。次はタンクからビンに入れる時火入れをします。通常のお酒は2回火入れをして味を整えたり安定させます。この火入れを全くしないお酒が生酒です。変化しやすいので冷蔵保管が必要不可欠となり、運搬、居酒屋での保管、酒屋での保管の時、冷蔵していなければなりません。生酒は、フルーティーで香りが鼻に抜け、舌の上に味が波のように変化しながら広がります。

思わず、「旨い」と出てしまいます。

 

 

若いメンバーの頑張り

 

大量生産方式で、味と伝統と技術を犠牲にしたつけが、日本酒離れを加速しましたが、次の世代の若者が本来の日本酒の味を超える努力を始めています。お酒を飲みに行っても、こだわりの日本酒を置いている店が多くなっています。頼むと冷蔵庫から旨いお酒が出てきます。若い世代は、更なる挑戦と努力、研究を続けており、お酒が年々美味しくなっています。

先日70歳を超えた日本酒愛好家の事務官(日本酒専門官)とお酒を飲む時、「あの時、futamiryuが飲んで美味しいと言った酒を持ってきました」と保冷パックから出してくれた酒を見て、「こんな素晴らしく手に入らない酒を飲ましてくれていたのですか」と思わず言ってしまいました。

日本酒専門官は、「よく勉強しましたね」と嬉しそうに「次はもっと凄いのを勉強してもらいましょう」と満面の笑みで約束してくれました。

 

 

 

 

 

自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編: 敵に察知されない、実戦に限りなく特化した見えない戦士の育成
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【kindle本が出ました】

 

二見龍レポート#2 コンバットメディックの照井資規、弾道と弾丸を語る
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二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談
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40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
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本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準

 

 

『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
 人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
 読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界

 

 

オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
 日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
 オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。

 

 

 

オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~
オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~

 

 

マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
 本書により、マット飼育のコツを積み上げ、皆さんの目指すオオクワガタを作出して頂ければ幸いです。

 

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2 Comments

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