産卵木自体のクオリティー(オオクワガタのメスが好む白枯れした状態)が高いと、オオクワガタが持っているバクテリアが産卵木の環境を支配するようになります。
そのような状態の産卵木は、幼虫が多く孵化して活動している時は手で朽ち木を崩せるような柔らかい状態になっています。幼虫が産卵木全体にいて活動しているため、産卵木全体を幼虫が食痕を作っている状態になります。
この状態は、オオクワガタのバクテリアで環境を支配しているため、朽ち木全体がフカフカの感じになります。
オオクワガタのバクテリアで産卵木をコントロールできていない状態、メスが産卵する朽ち木として気に入らなかった産卵木は、オオクワガタのバクテリアによる産卵木内の環境がコントロールされていないため、マイナスドライバーで産卵木を崩そうとしても硬く、削ろうとしてもペキペキという音を立て幼虫の食痕は全くなく、これが産卵ケースに入れる時の産卵木かと思うほど、朽ちた状態が後退していて生木のような感じになっています。
ここで産卵が上手くできていないなと諦めないようにすることが大切になります。産卵木の質が悪いので、羽化した幼虫が産卵木を食べずにマットへ出てそこで成長していることがあるからです。
産卵木は、ショップから購入することがほとんどなので、1本1本確認することができないのが実情でしょう。どうしてもメスが気に入らないような産卵木が混じってしまうことがあります。このため考え出した私なりの対応策と幼虫を大きくする方法があります。
『産卵木の埋め込みマットを幼虫飼育用のマットにする』方法です。幼虫を飼育するマットは栄養が高いマットです。
産卵木からマットへ出てしまった幼虫が、通常の未発酵マットであった場合、栄養が低いため成長が限定的になってしまいます。
幼虫飼育用マットであれば、早い段階から栄養の高い飼育用マットを食べることができるため、その後の飼育に影響なく成長することができます。
もう一つの利点は、ここがなかなか優れているとこなのです。幼虫がマットの中に出て飼育マットを食べて成長しているので、マイナスドライバーを使って産卵木を削り、幼虫を取り出す手間が省けるということです。
53~4ミリのメスの産卵量は、直径15cmの状態の良い産卵木では30~40頭の幼虫が取れます。
産卵木の状態の良いところを食べる幼虫と、マットに出て栄養価の高いマットを食べる幼虫が丁度良い配分になり、1令~2令初期まで順調に育った幼虫を得ることができます。
マットの中で成長している幼虫は、どの程度いるのかわからないので産卵木を取り出した後、ケースを逆さまにして底を叩いてマットを違う容器へ移します。
この時幼虫を見つけるチャンスです。数頭見つけることができたら、マットの塊を丁寧に崩していくと、その3倍の幼虫が出てくる可能性があります。
マットを移したケースを横に振りながら幼虫を探していると見つけることができます。1令幼虫の場合、マットと同化していて見つけにくいので注意して下さい。
マットはビニール袋で保管しておきます。2週間ほど経ってからマットをもう一度点検してみると、1令幼虫で見落としていた幼虫が数頭大きくなっているので見つけることができます。
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