海外に赴く際には、街中にいる人の流れや反射的な反応などを意識しておくこと、加えて事前に現地がどのような情勢、場所なのかを把握しておくことが重要となります。
海外のとある都会の繁華街の大きなストリートで、バイクが数台走ってきた時に、その中の1台のマフラーから発したバックファイヤが「バン!!」と破裂音を発生する。
その瞬間、付近に居合わせた人たちが一斉に音のした方向を確認し、かなりの人数がその場でしゃがみ込んで安全を確認する。一方、茫然と立つくしている人、淡々と歩き続けている人、立ったまま周囲をただキョロキョロしていただけの人たちも見受けられる。
危険に対する意識と対応が甘い人たちは、ほぼ間違いなく観光客と推察できる。
このような状況の中、その時、そばにいた警官2人組は、即座に身構えホルスターに手をかけていました。
治安の悪化しやすい状況下や不安定さの中にいる人々は、危険に対する明確なフィルターが設けられており、そこに触れれば敏感に反応することがわかります。
今後の在外邦人を取り巻く環境は様々な危険リスクが増大する可能性があります。
窃盗や強盗、詐欺やレイプ事件にとどまらず、内乱やテロ、戦争や大規模災害も視野に入れておかなければなりません。
また、感染症やその対策による活動の制限や規制なども考慮する必要があります。
これらの「いざ!」に対してどう立ち向かい対処対応をすれば良いのか。
本書では、海外・国内の危機管理・安全対策の講習と実技訓練を行っているインストラクターとの対談と、アフリカへ講師として赴いた際の現地の実例を含めて紹介します。
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