S氏との出会いは、本書でも書きましたが、真剣と竹刀で試合するほどの戦闘技術の差があり、さらに何もできず動けないまま、私たちは簡単に倒されてしまう実戦で研ぎ澄まされた強さ目の当たりにした衝撃的な出会いでした。
今まで実戦を想定した戦闘訓練を積み上げ強くなってきたと思っていた私たちは、超本物の『スカウト』の戦闘技術を操るS氏の行動を目にして、根底から訓練に取り組む姿勢、考え方を見直さなければならないと感じたからです。
まず、私たちの戦闘技術は、全てに詰めが甘くゆるゆるの状態であり、基礎動作を習慣になるまで厳しいレベルで身に付けていないことがわかったからです。
世界の戦闘技術は進歩していること、実戦では色々な戦闘技術を取り入れて進化を続けていることを目の前で実体験したわけです。
私が防衛大学校に入校した1977年から連隊長として『スカウト』に出会う2004年までの間に普通科の戦闘行動や戦闘技術はほとんど変わっておらず、パターン化していて1回身に付ければ退官まで使えるというものでした。
『スカウト』の戦闘技術を身につけている敵と戦うことがあれば、間違いなく多くの損害を強いられることが明らかでした。
一方で、 『スカウト』の戦闘技術を隊員が身につけることができれば、生き残り任務達成ができる画期的な戦闘技術であることがわかりました。
さらに、この戦闘技術を使うことによって、新たな戦い方を生み出すこともできると実感しました。これで様々な戦法の開発が可能になると思ったのです。
今回の増補版は、 文章全体をきれいにして読みやすくしたこと、見出しのデザインをカッコよくしたこと、そして、最大のポイントは、小倉駐屯地に所在する40連隊に「スカウト」戦闘技術を40連隊へ伝えて頂いた「S氏」のコメントを頂きました。
40連隊の3科長(作戦運用・教育訓練担当)であった石田3佐(当時)と40連隊のスカウト第一人者だったDの二人が、S氏との出会いと訓練に関する当時の貴重な内容をコラムにしたものと、それに対してのS氏のコメントを追加しています。
S氏は、強面のイメージがありますが、コメントはとても柔らかく異なった一面を知ることができるでしょう。
二見龍は、現在、Kindle本の進化-増補版作成-を進めています。
電子書籍kindle本と紙書籍と異なるところは、データのアップデートを柔軟に容易にできるところです。たとえば、誤字の修正は、データを書き換えることによって、48時間後にはアップデートされます。画像の配置や処理、ページの設定なども、画像を鮮明にしたり、見やすくすることもできます。
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Kindle書籍の改訂 | 戦闘組織に学ぶ人材育成
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40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術[2版]
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