潜入・偵察・サバイバル 自衛隊最強の部隊へ

潜入・偵察・サバイバル 自衛隊最強の部隊へ

  「人間の脳は、人に似たシルエットを確認して人間であると認識します」とスカウト・インストラクターは話し、「これから二人ペアになって鹿になってもらいます」と言われた隊員は、「どうするのだろう」状態です。

 一人が腰をかがめた状態になり、もう一人が、頭を下に向け前の人間の腰へ手を回し身体を90度前に倒した状態になります。

 これで鹿の出来上がりです。確かに四足になりましたが、前の人と息が合わないと足が合いません。

 青空の広がる演習場で、鹿の形になり、歩行の練習を開始しました。隊員は、「これ本当に効くのかなあ」と思いながらやっている感じです。

 昼間は、違和感たっぷりの鹿ですが、日が暮れ闇が広がると、鹿にあった違和感がまったく無くなってしまいます。インストラクターの「鹿歩いて下さい」の合図で、1頭ずつ鹿が歩いている状態を皆で確認をします。

 すると、「あれ」、「なんでだろう」、という声が隊員の間から出ます。そして、「鹿だよなー」と言います。人間とは感じ取れず、四足の鹿が近くを歩いているように見えるのです。

 後日、対抗方式の訓練で連隊の斥候要員が歩哨の近くを「鹿」になって通過しても、気づかれなかったと報告が入りました。「鹿」は、効きます。

『スカウト』戦闘技術を自在に操るS氏と40連隊との出会いと『スカウト』の凄さ、新たな戦法開発につながる戦闘技術

 

自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編: 敵に察知されない、実戦に限りなく特化した見えない戦士の育成

 

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