チームリーダーになると部下の指導育成をおこないながら、任務達成を可能にするチームを作り上げることが求められます。
陸上自衛隊でも小部隊のリーダーとなる中級下士官(陸曹)は、幹部ではありませんが、同じことが求められます。
陸曹も幹部と同じようにチームリーダーとして、チームをいかに組み立て育成していくかについて頭を悩まします。
チームリーダーとして、チームをどのようにまとめなければならないか、部下とどのように接したらいいのか(距離の置き方)、それぞれ個性がある部下を上手く伸ばすことができるようにしなければならないか、指導とは何をすればいいのか、自分をどのように律していくべきかなど、常に同じメンバーではないため、メンバーの特性に合わせて対応しなければなりません。
毎回、チームの状態に合わせた最適なリーダーシップを発揮する必要があります。
また、これだけやれば間違いないというものがなく、知識と経験がものをいうという側面があります。
知識と経験の不足は、それぞれの場合に対して対応する引き出しが少ないからです。
そのためか、リーダーシップを発揮することは難しいと捉えてしまいがちです。
一方、視点を変えてみると指導のポイントとして、変らない部分が見えてきます。
部下の経験年数と仕事の内容を把握することによって、4つのパターンに区分した対応があるということがわかるからです。
Aグループ:新入社員(新しい職務についた人):知識と経験がほとんどない人、モチベーションが高い
Bグループ:知識はついてきているがまだ十分ではなく、経験はまだ少ない人、モチベーションはあまり高くない
Cグループ:知識がついているが、自ら組織を引っ張って仕事をする経験が少ない人、モチベーションはあまり高くない
Dグループ:知識も経験も豊富で、自ら組織を引っ張って仕事ができる人、モチベーションが高い
Aグループは、新入社員か新しい職務についたばかりの人が該当します。
新たな職務に対するやる気は高いのですが、知識と経験が不足しているため、モチベーションよりも教育と経験をどんどん積ませる対応が適しています。
Bグループは、知識と経験はついてきているが、まだ不十分な状態であり、業務に対する自信がないため、業務に関する指導とモチベーションコントロール両方が必要なグループです。
Cグループは、十分に知識はあるが業務を任せてやり切る自信がないため、自らが中心となって仕事をするようにするように、モチベーションを維持させ、背中を押すことが必要です。
Dグループは、業務ができ、モチベーションが高いベテランです。自ら考え行動して成果が出せるような環境を作ることが重要となります。
部下の把握をせずに、平等に接するという考えで、全員に対して同じ指導をすることは改善が必要であることがわかります。
部下の知識と経験、モチベーションの状態を確認してどちらを重視して行うべきか、両方行わなければならないかを把握することが重要であることがわかります。