基礎練習は技術を伸ばすためにとても重要です。基礎技術がしっかりしていないとすぐに伸びが止まってしまいます。成長が止まってしまい悩みながら応用的な行動を反復練習しても上手くいきません。
悩みながら達する結論は、大きな建物が建つような広くしっかりした土台の上に、大きく高い建物を建てれるような基礎をもう一度作り直す必要があるということです。
もう一度基礎を作りなおそうと始める練習は、今迄の基礎練習よりも集中していて、あるレベルにならない限り満足できないようになります。
今迄の漠然と回数をこなしていた練習から、質と量が変化し、真剣度が変わります。この状態になった基礎練習を見ると緊迫感が全く違うのがわかります。
緊迫感を何処まで高めるか重要であることが、超実戦的な訓練をすると理解できます。
自分たちよりも強いメンバーが本気で敵となる戦闘訓練では、通常の訓練では起こらない身体の反応がおこります。
射撃をして加熱している薬きょうや兆弾の破片が目に入らないようにかけているゴーグルやグラスに現れます。
今迄経験したことのない状態になり、室内にスモークをたかれたのか、目にゴミが入って視界が狭くなったと感じます。
急に視界が低下するので敵を上手く捉えられなくなったり、自分の体がおかしくなったのではないかと思ってしまいます。
興奮したり能力を極限まで使おうとすると、目からいつもは出ない水蒸気が出てきて、ゴーグルやグラスを曇らせます。
生ぬるい訓練だけを繰り返している人は、すぐに曇ってしまいレンズを拭かないと戦闘が継続できません。実戦的訓練を通じ通常よりも性能の高く信頼度の高いグラスが必要なことがわかるとともに、極限の訓練を通じて何が起こるのかを知ることができます。
超実戦的な訓練は、体力維持の仕方を教えてくれます。
CQBのように激烈な近距離での戦いは、極限の力を引き出すために身体の養分として水分を急激に消費します。
30程度の戦闘で水筒の水を全て飲まないと渇いて身体が上手く動かない状態になります。
長時間戦うためには水分が必要不可欠であり、戦闘を継続しながら水分を補給できるようなバックが必要なことがわかります。
超実戦的な訓練から、戦闘間如何に体力の消耗を避けながら戦闘をするか考えるようになります。
体力を消耗してしまうことは、身体が必要な時に激しく動けない状態となるため、体力の消耗イコール死を意味することを理解します。
これを理解すると無駄な動きをしないようになるのに合わせて、粘り強い身体を作るための体力練成が必要であることがわかります。
超実戦的な訓練により通常の訓練ではわからない事や不足しているものを知ることができ、この改善には厳しく緊迫感を高めた基礎訓練が必要であることを理解します。
広くしっかりした基礎を作ることにより、今迄の超実戦的な訓練での限界を突破して更に能力高めることができることがわかるからです。
極真会空手の高弟であり、キックボクシングでチャンピオンを多く輩出した黒崎健時氏は、「気持ちの入っていない突きを千本するならやらない方がいい。最強の敵を倒せる全身全霊を込めた突きを10本することが遥かに効果がある」と言います。
そんなものかなと漠然と理解していましたが、ゴーグルが曇ったり、激しい水分消費をする超実戦的な訓練を行って初めて知ることができる世界を知り、黒崎健時氏の常に実戦で強くあれという世界で生きてきた貴重な言葉であることを理解し、この人の凄さを感じました。
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