20年前の檜枝岐は、水銀灯に多数の蛾が円錐筒の形で舞う状態でした。5~6年前までは、ひと夏オオクワガタを片手の数は採集でき、普通種のクワガタ、カブトムシも採集はしませんが100匹は見ることができました。
しかし、最近外灯にほとんど虫が集まらなくなり、甲虫の姿もめっきり少なくなっています。今回、檜枝岐の自然に感動を覚えず、クワガタもほとんどいないならば、今年限りで檜枝岐採集も終了にしようと考えながら、下の息子と尾瀬の入り口のキリンテのバンガローへ8月の中旬に出発しました。
今年限りにするかどうか、2014年は檜枝岐の西側に位置する新潟県の魚沼、大湯温泉へ、2015年の8月初旬は、檜枝岐の南に位置する奥日光の川俣温泉に採集へ行き、檜枝岐と自然の度合いや甲虫の飛び具合を調べました。
奥日光はまだまだ開拓すべきところがあり、自然もなかなかのものがあるなと感じたポイントです。
心は、来年から奥日光かなと感じ始めていました。
今回は、檜枝岐と比べる他のポイントの自然環境を理解した状態での檜枝岐採集です。
東北道の西那須塩原インターから400号線を通り121号線に入った瞬間感じたことは、自然が深くなり、この時点でもう川俣温泉の自然と同じ状態であるということです。
更に、352号線に入ると檜枝岐の自然の素晴しさを改めて認識できます。
改めて檜枝岐の自然の良さを実感しました。やはり、檜枝岐は凄い。この一言です。
キリンテのバンガローでとても感じのいいオーナー夫婦と話をしていると、「今回の目的は採集ですか」と質問があり、今日檜枝岐の自然の素晴らしさを改めて感動した事や15年前お母さんが管理をしている時からバンガローにお世話になっていることを話すと、大変喜んで頂き、なんと貴重な最近の檜枝岐一帯の採集事情を教えて頂きました。
19時30分入浴と夕食を終了させ、採集開始です。
まだ空の明るさが残っていますが、甲虫が集まる兆候である外灯にもやもやと羽蟻、小さい蛾が集まる状態になっています。
今夜いけるんじゃないかと息子と話しながら、各水銀灯に別れて確認に行くと、50mほど離れて採集している息子の緊張感の走った状態でしゃがみ込みながら地面を照らしている姿が確認できます。
クワガタがきているなと思って、私も水銀灯の光が地面に広がり暗い地面との境目ができているところから丁寧に見ていくと、水銀灯の真下にコクワのメスが、次々に飛来してきます。
一瞬、オオクワと見間違えるような小型のカブトムシのメスに心が踊らされます。
「今夜は甲虫の気配が凄いね」と息子が言い、コクワ、ノコギリのオス、カブトムシが20時30分頃バタバタと飛来している状態を私に話します。
次の水銀灯へ移動するとミヤマのオス、ノコギリのオスが水銀灯の回りに5~6匹は落ちている状態です。
今夜は20時に月が沈むと朝まで出ないので、このペースで行くと凄い採集になるなと感じた息子と目が合います。
近年にない甲虫の濃い状態も22時になった瞬間、パタリと止まってしまい、水銀灯の回りを歩いていたクワガタやカブトムシが全くいなくなり、羽蟻もべったり地面や塀についてしまう状態に変化し、水銀灯の回りを飛ぶ蛾も全くいなくなってしまいました。
風が強くなったのと、今迄天の川が見えそうなほど満天に輝いていた星が雲で全く見えなくなっています。湿度も高くなって気温が低下しています。
もう本日は終了という合図のコウモリも飛び始めました。
これからという時、20時30分の短い時間心をときめかせてくれた自然は、一瞬に心変わりしてしまいました。割と天候の変化で飛ばなくなると諦めの早い下の息子は、今夜何かを感じたかのようにモチベーションを維持しながら丁寧な採集を続けています。
頑張りも自然には勝てずに24時過ぎに終了にすることにしました。
自然の深さと素晴しさ、昔のような甲虫の飛びの良さを体験でき、今夜は楽しい採集になったなと二人で納得した夜となりました。
最後このよく飛んでいたポイントを見てから終わることにしました。
あれ、点刻があるツヤのある甲虫がいる。ガムシじゃないな。
オオクワだ!! 久し振りにオオクワガタが私達にほほ笑んでくれた瞬間です。
二人で、自然の深さと今夜の甲虫の飛びに感謝していると、檜枝岐の大自然はオオクワのメスを私達にプレゼントをしてくれました。
「また、来年も再来年もおいで」と語りかけてくれたような気がしました。
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