実戦モードになるとゾクッするような強さのある、尊敬する先輩は、「君のために命を捨てる男が一人でもいたならば、たいしたもんだ」と言います。たった一人だろと思い、一人づつどうかなと考えてみると、案外いないものです。命をかけれるものは、国家や崇高な使命、家族のためならばという人はいるかもしれませんが、他人であり、家族でもない人のために命をかける人はなかなかいません。
連隊長時代、「連隊長のためなら命をかけます」と言われた時、その言葉の重さと尊敬する先輩の言葉を思い出し、嬉しさと重い責任を感じました。
そして、この言葉を言う男のためには、自分も命をかけれる思いがあるのに気付きます。
更に、命をかけるならば、自分の命をただ捧げるのではなく、より強力なものや相手を倒しながら自分も倒れるような、命のかけ方をしたいと考えます。
特殊部隊は、強い戦闘部隊です。
任務を達成するためには、命を惜しまない心構えをしているからです。常人では耐えられないような訓練を日々行ない、身体と精神状態をボクシングの世界タイトルマッチを行うレベルまで仕上げている男達が命をかけて戦うからです。
個よりも、与えられた任務や使命を優先する組織や個人は、とてつもない底力を発揮します。その組織が、一騎当千の特殊部隊であれば、凄まじい強さを発揮することがわかります。
厳しい状況を打破するため、メンバーの命よりも、任務達成という使命を重視し、突入時、先頭の二人が倒されても、3番手と4番手で敵を倒して任務を達成します。
特殊部隊は、強い部隊であるとともに、相打ちをしてでも敵を倒すため、最強の部隊であるといえます。
例えば、ナイフを持った自分よりも強い相手に勝つ方法はあるでしょうか。相打ちのできる心と技術があれば可能です。自分が刺されても、相手も刺せる方法を考えて実行すればいい訳です。これを仕事や訓練、実戦に応用すれば、相手と互角か互角以上の戦いをすることができます。
刀の果たし合いにおいて、相手に刺されても相手を刺せる戦い方を考えればいい訳で、相打ちに持ち込む様々な戦い方が紹介されていると思います。
相打ちの本質は、相打ちを行うために自分の命をかけれるかにあります。相打ちの要領を知っていたり、技術があっても、相打ちをするために自分の命をかけでもやるという心積もりがなければ、大切な時に腰が引けてしまったり、逃げてしまい上手くいきません。
心身を鍛え上げ、更に、相打ちの技術を使う凄みのある強さを身に付け、何時でも使えるように皆さんの引き出しに保有して下さい。
必ず、勝負に強くなります。
追記
相打ちについての関連記事を参考にして下さい。
相打ちの覚悟-相打ちの心構え-
格闘技を中心に相打ちについて捉えてみました。
伝説の男-黒崎健時-
真の強さを追求する黒崎健時詩の言葉は、本質と急所をつきます。
自信は人間を2倍強くする
強さと自信、これを支える心の重要性について記述しました。
戦機(チャンス)は揺れながら、最後は強い心に引かれていく
チャンスは何時も動いています。何がチャンスなのか、何時がチャンスなのか誰もハッキリわかることはできません。しかし、チャンスを引きつけたり、引っ張り込んで捉えることができます。
自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編: 敵に察知されない、実戦に限りなく特化した見えない戦士の育成
【kindle本が出ました】
二見龍レポート＃２ コンバットメディックの照井資規、弾道と弾丸を語る
二見龍レポート＃１ ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談
40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。
そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。
40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか！永田市郎と求めた世界標準
『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか！永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。
オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか２０数年が経ってしまいました。
日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。
オオクワガタ飼育記 ～マット飼育による美形・大型作出テクニック～
マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
本書により、マット飼育のコツを積み上げ、皆さんの目指すオオクワガタを作出して頂ければ幸いです。
Pingback: 戦いという状況があるだけの世界 -マーシャルアーツ(軍隊格闘技)の心得と技の極意- | 戦闘組織に学ぶ人材育成
Pingback: 戦いという状況があるだけの世界 -マーシャルアーツ、ナイフ・トマホーク戦闘の心得- | 戦闘組織に学ぶ人材育成
Pingback: 真に強い戦うスピリッツを田知本遥選手の金メダルに見る | 戦闘組織に学ぶ人材育成