任務を達成して生き残れる人の考え方と準備の仕方

任務を達成して生き残れる人の考え方と準備の仕方

 

 

任務を達成して生き残れる人の考え方と準備の仕方

 

どのようにすれば、隊員が厳しい任務をやり遂げて生き残っていられるか、毎日執務室で考えていました。尊敬する師団長から「futamiryu(著者)よ。俺は、訓練で華やかで作られたような場面は見たくないんだ。俺を地味な行動や反復演練をしている場面や場所を視察できるようにしてくれ。

このようなことが重要であり、重要さを視察することで示したい。」と言われたことを思い出していました。実戦は、地味なのかなと窓の外をぼやっとみながら、来週来る人は何を教えてくれるのだろうと思いました。

次の週にその人に会って、驚いたことは、気配というか存在感が他の人よりも小さく、同じ空間にいるとほのかな暖かさと気持ちよさを感じたからです。実戦を経験して強い人は、それなりの雰囲気を持っているものだという予想が外れたからです。180センチ以上の身長があるのに170センチのようにも感じます。壁の近くにいると姿が壁に溶け込んでいるような感じも受けました。

握手をすると分厚く力強い手かと思うと、指が細く小さな柔らかい手でこれも予想と反対でした。

「生き残って任務を達成するにはどうすればいいのですか」と問いかけると、「見つかるから死ぬのです。見つからなければ、やられません。」と何が面白いのかという感じで話します。

話は、フィールドを歩くという内容になり、歩く時、カチャカチャ装具の当たる音がしてしまうのはダメですか。と聞くと、「間違いなく帰ってこないでしょう」と返ってきました。

どうすればいいか聞くと、なんで当たり前のことを説明しなければならないのかという感じで、「何回かジャンプして音が出ていないかを確かめて、出なくなるまで、装具を整えればいいだけです。」と話してくれました。

「水筒の水を飲むと歩いた時チャプチャプ音がどうしてもしてしまいますよね」と話すと、「音が出れば戦闘能力の高いメンバーに発見される確率が高くなるので、このレベルだと偵察しても返ってこないでしょう」その通りで、それから先が分からなくて考えていると話すと、「持っていかなければいいんです。水筒を」。

そうなんだが、「水分補給はどうするのですか」と聞くと、「それぞれが考えて準備をすればいいだけです。」、「私は、軽い音の出ない入れ物に水を入れて、一回の飲み切りの容器を必要なだけ持っていきます。それぞれの人が考えて準備をすればいいだけです。」と話してくれました。

 

水筒はどうするのか

 

隊員の人達が、任務を達成して帰ってこれるように、任務で予想されることを全て考えさせて、危険だなとか不安定だなということへの対策を可能な限りではなく、完全に準備をさせて下さい。

これが出来ない隊員は、できるまで意識の持ち方と訓練を本人の意思でさせて下さい。相手の戦闘技術が高くなるにつれて、不安定の状態を残している方がやられることになります。

必ず不安定なものを、安定したものにさせて出発させて下さい。

行動は、見つからないように小さく、敵の確認と自分の今の見え方の確認という、当たり前のことをずーとやり続けることを習慣づけて下さい。

 

その人が帰った後、「師団長!futamiryuはやっと色々なことがつながってきました」と師団長の姿を思い浮かべました。

 

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本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
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『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

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オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
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