死なない男Iが8年間チームを組んでいるメンバーを連れてやってきました。多くの人と対戦経験のある対抗部隊要員が、最も対戦したくない、強さを超え、怖さを感じると評価したチームです。5時間半、先輩後輩関係なく戦闘の現実、訓練に対する姿勢や訓練の仕方について熱く語ります。
「ロックは、ゾーンでかけなければ、敵を抑え込めません」、「ゾーンで抑えることができたら速やかに上下にロックを拡大します」とIは話します。
「ロックは、ポイントでかけるのでなく、空間全体を押さえるようにゾーンでかけなければならないのです。そして速やかに天井や地面まで上下にロックする範囲を広げます」
脅威を感じるポイントを一つロックするだけなので、敵の射線を抑えられないと話します。
「最近、後ろを確認しなくても、どのような形でロックしているか感覚で掴めるようになり、チーム員が集中し確実にロックしているかどうか、わかるようになりました」
Iは、目をキラキラして話します。
「私達戦闘要員は、強くなければなりません。簡単にやられてしまえば、任務達成はできません」
「訓練で我々にやられると、実戦ではこんな戦法は使わないとか、教範や示された通りにやらないのはおかしいのではないか」と言われますが、気にしませんとIは言います。
この言葉を聞いて、I達は出る杭は打たれる状態から、出過ぎた杭になって打てなくなり、真実を見たくない連中のやりたくない屁理屈に出会っている状態になっているのがわかります。
生温湯の中にいたい連中は、I達は余計なことをしでかす邪魔者に見えます。
「どうして、皆強くなりたいと思わないのですか。普通、強くなることを追及するものではないですか」とチームメンバーが訴えます。
強くなった者が次に越えなければならないハードルは、余計なことをやりたくない人や今までやってきた範囲の中で平穏にしていたい人、上司や先輩の壁を取っ払うことです。
短絡的に対応するのではなく、上司や先輩を巧妙に自分達の進む方向へ引き込み、賛同する仲間を作り拡大していく行動が求められます。
戦闘技術以上に、人間を磨く必要が出てきたことを話しました。
Iのチームメンバーは、後輩一人を除き先輩です。
後輩の一人、Hを今回2年振りに会いました。
2年前、CQBのセンスと技術があるのに気持ちがついていっておらず、育ち上がるかなと思っていたのが、Hでした。
今回、彼と会った瞬間、軸が定まり、Hの身体全体から発するものが明かるく力強い状態がわかり嬉しくなりました。Hは、自分の心の弱さを克服し強い戦士に成長していました。
SとAの先輩達は、元々不遜なIとは、同じタイプだったので、訓練の考え方とやり方でぶつかったことが多かったと当時のことを話します。
しかし、強くなる意識は同じであり、掴み合いの言い合いをしながら次第に、上下関係なく仲間になったと語ります。
戦闘要領について、Iは「俺程度になってもらわないと困る」と言いますが、先輩達はその言葉をしっかり受け止め、チームの発展につながるようにつなぎ導いていきます。
彼等を見ていて、人生でこんな仲間ができたら、楽しく素晴らしく充実したものになるなと羨ましくなるほどです。
彼等と話していると私の引き出しを次々に開け、色々なノウハウや訓練経験で得た話を引き出してくれます。
相手の持っている引き出しを開け、相手の良いところを引き出すことができると、信頼できる多くの仲間を作ることができます。
彼等と話していると、これから更なる発展が確信できます。
彼らの引き出しも次々に開きながら話をしていると、すぐに時間が経ってしまいます。焼きおにぎりが出てくるとそろそろ終了です。気が付いたら、5時間半の時間が経過していました。
Aは、実直なタイプでチームを支える信頼度抜群の男です。
Sは、帰りハグされた息子が、「あの身体はとんでもなく鍛えた身体だ」と驚く程の戦いに強い男です。
本当に充実し有意義な時間でした。
今回、新たな仲間が遠くから来てくれました。
初めて会う、会津から雪の東名道を通りやって来た男は、静かに語る、芯の強い男でした。
また、仲間が増えた喜びを味わうことができました。
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