元米国陸軍大尉 飯柴氏から「40連隊に戦闘技術の負けはない」へのコメント

元米国陸軍大尉 飯柴氏から「40連隊に戦闘技術の負けはない」へのコメント

 

 

実戦を経験した元米国陸軍大尉飯柴氏の言葉

 

『自衛隊という組織は、第二次大戦後の特殊な事情により、特異な進化を遂げてきた組織です。
ガラパゴス諸島で特異な進化を遂げた動物とダブって見えます』これは、アフガニスタンなどで戦闘経験のある元米国陸軍大尉飯柴氏からみた自衛隊です。飯柴氏とお会いした時、心が落ち着き安心感を得る、柔らかく落ち着いた口調で、歩哨壕からのゲリラの監視要領や米軍の武装ヘリと地上部隊が友軍相撃になる恐れがあった状況など、貴重な実戦経験を話して頂きました。

次の文章は、飯柴氏から頂いたコメントです。

 

 

「40連隊に戦闘技術の負けはない」を読んで

 

退役された自衛隊の将官が本を書くというのは、米国ではよくある事です。日本でも数名が行っています。
ですが、将官という階級は作戦レベルもしくは戦略レベルを担う階級であり、戦術レベルを語る事はありません。

それは、私のような下級将校の任務だからです。
ましてや二見さんは末端戦術レベルである小隊/分隊戦術について真剣に書かれています。これだけで部下想いの幹部だったんだろう、という二見さんの人柄が伝わってきました。

自衛隊という組織は、第二次大戦後の特殊な事情により、特異な進化を遂げてきた組織です。

私の目にはそれがガラパゴス諸島で特異な進化を遂げた動物とダブって見えます。誰も何も提言しない状態がダラダラ続いたのでしょう。

そういった殻をブチ破ったのが二見さんだったのではないでしょうか。

また「負けてもいいから」という箇所が最も印象的に私の中に残りました。
格闘技でも、道場内だけで稽古していたのでは、絶対に強くはなれません。
出稽古をガンガンやって、負けてもいいから他流派主催の大会に参加し、経験を積まなければ強くはなれないものです。

皆それが解っているのですが、やはり負けるのが怖くて、恥をかくのが怖くてやれないのが現状です。

色々と制約がある自衛隊という組織の中で、あえて行動を起こした二見さんの勇気に、まず敬意を表したいと思います。

イチローさんを招聘したという事実も、非常に革命的です。通常、組織というものは異物を入れるのを嫌うからです。

統制が全ての軍隊では当然の行為です。
ですが、ちゃんとしたインストラクターを招くのは米軍ではよくある行為です。

私が勤務していたノースキャロライナ州フォート・ブラッグ陸軍基地には、特殊部隊と精鋭部隊のみの基地であるため、頻繁に外部からのインストラクターを見かけました。基地に隣接するフェイヤッテビル市内のレストランでインストラクターにバッタリ会ったこともありましたし、私の拳銃の師であるジェリー・バーンハート氏も頻繁に招かれていました。

二見さんは退官直前に私にこうおっしゃられました。

「私は、組織を去っていく人間です。若い連中はこれからなのです。彼らの力になってあげて下さい」

そこには、自衛隊という軍隊になれない組織で、我慢を重ねながら国防任務をこなしてきた辛さや無念さ、今後同じ想いをするであろう部下たちへの配慮…様々な思いの詰まったあまりにも重い言葉でした。

この著作は、二見さんのそういった想いと、次世代への提言が記されています。
全ての自衛官、特に幹部の方たちに読んで頂きたい著作です。

 

 

 

 

 

自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編: 敵に察知されない、実戦に限りなく特化した見えない戦士の育成
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二見龍レポート#2 コンバットメディックの照井資規、弾道と弾丸を語る
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二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談
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40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
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本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
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『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

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