米陸軍と陸上自衛隊の根本的な違い『実戦を通じ進化を続ける強さ』

米陸軍と陸上自衛隊の根本的な違い『実戦を通じ進化を続ける強さ』

 

 

米陸軍と陸上自衛隊との違い「日本刀と竹刀の差」

 

実戦経験のある米陸軍と陸上自衛隊との違いは、日本刀と竹刀(シナイ)の違いと重なります。日本刀は、重く、振ると加速し竹刀とは刃の走りや音が異なります。振り方や身体の締めが悪ければ剣を止めれず自分の足を切ってしまいます。日本刀は、刃先が鋭く刀を振ると空気を切り裂き加速するからです。

空気抵抗を多く受けるを竹刀を使用した打ち合いと真剣同士の打ち合いでは、「刃のスピード」と「刃を走らせる」、「どのように切れば深く切れるのか」という世界が異なります。

竹刀では経験できないものです。

日本刀は、重く、振ると加速し竹刀とは刃の走りや音が異なります。振り方や身体の締めが悪ければ剣を止めれず自分の足を切ってしまいます。

日本刀は、刃先が鋭く刀を振ると空気を切り裂き加速するからです。

空気抵抗を多く受けるを竹刀を使用した打ち合いと真剣同士の打ち合いでは、全く世界が異なります。

 

 

真剣を使った戦いを磨く米陸軍

 

時代劇では剣同士の打ち合いをよくします。見た目が派手でエンターテインメントとして見応えがあるからです。

そのため、真剣同士の戦いは、テレビや映画で見るような時代劇の切り合いや竹刀での打ち合う剣道のイメージと一致し、真剣同士でもこのようになるのかなと思ってしまいます。

時代劇のような刃と刃をぶつけ合う戦いは、竹刀はいくらでも打ち合えますし、怪我もしません。
しかし、日本刀は、刃と刃で打ち合うと刃こぼれするため、極力打ち合わないようにします。

鎌倉時代の日本刀は、刃が厚く実戦向きでしたが、江戸時代になると腰に差していることが重要で細く薄くなっていきます。剣道も木刀から竹刀に変化していきます。

米陸軍は、鎌倉時代の実戦向きの刀をより、実戦を通じ改良を重ね、実戦で強さを発揮できるように、大きく、切れ味を良くし、軽く丈夫に、付加機能を多く付けた剣に進化させているイメージです。

 

 

実戦を積み進化する米軍と陸上自衛隊

 

米軍は、常に実戦を有利にするための装備や戦法の開発・改善を進めています。
武器と戦い方は、実際に相手を倒すことのできる日本刀と実戦用の剣術を追及している鎌倉時代や戦国時代といえます。

陸上自衛隊は、国内の特殊事情から、太平の世が続いた江戸時代といえます。

実戦用の装備や戦法の開発・改善が進んでいない状況といえます。

更に、個人装備の目利きに長けた人間が装備を導入している状態とはいえない現実があります。

江戸時代、国が平定され太平の世が続いていくうちに、どのような日本刀が実戦に必要なのか、戦法の改善を如何にするかという必要性はなくなっていきました。

飾りとなった日本刀を軽量化するため歯は薄くなります。剣術の稽古も、怪我を極力避ける方向に進み、木刀、そして袋竹刀となり、今の竹刀のように変化し、実戦から遠ざかっていきます。

更に、防具を付けた打ち合いをする形になりました。

このような江戸時代の流れと陸上自衛隊とは、共通するところがあります。

陸上自衛隊、特に全隊員共通の基礎的事項と歩兵戦闘に関する分野は、実戦で必要とし、戦闘を有利にする装備・戦法の開発や改善、訓練は、十分行われていない状況といえます。

個人装備、歩兵装備・戦法の開発・改善、訓練の見直しと立て直しが必要です。

 

 

戦闘を行いながら改善を進める米陸軍

 

イラク戦争時、米陸軍は、イラクから帰ってきた部隊や戦闘の教訓から装備・戦法の改善を行い、次の次以降に派遣する部隊に可能な限り適用できるようにしていました。

実戦を通じ、地理的特性、戦争形態、国の社会的特性に対応できる部隊を作り上げ勝利を追及します。

地上戦闘で活躍するAHも、データリンクを移動間、戦闘間どこと繋げ効率的な戦いをすればいいか、パイロットとガナーから実戦で改善するところは何処か常に調べ、必要なデータを収集分析し改良・改善を進めていきます。

米軍は、高性能の武器を更に、実戦経験を通じ進化をさせ続けていく強みがあります。

戦法も同じように改善されていきます。

戦車を例にとれば、改良を進めていることがよくわかります。

M60A4の番号から当初のプラットホームM60から何度も改良していることがわかります。

また、改良を前提に装備を作っています。陸上自衛隊の装備で当初から改良を前提に設計しているでしょうか。

 

 

驚異の現実化とフルスペクトラムな活躍

 

今迄、自衛隊は、仮想敵国を対象として防衛力を整備しており、特定の国を敵としていないとしていました。

周辺国の戦術・戦法は、演習対抗部隊として設定し、訓練を進めてきました。

現在、目の前の脅威に対処する装備や部隊配置が進んでいます。

防衛意識も変化も後押ししています。
昭和の時代や冷戦終結後では予想できないスピードで現実的な動きが進む時代になっています。

国際貢献活動の幅も広がり、アジアやアフリカ諸国から警備してもらいながらの活動も現実的なものになっていくと考えられます。

災害派遣も、活躍して当たり前の時代となりました。

西へ防衛力をシフトしたり、新装備導入も進んでいます。

陸上自衛隊の活動を支える隊員の訓練と個人装備の改善と強化を同時に進めていく時期にきています。

難しい時代で活躍する自衛隊を常に応援していきたいと思います。

 

 

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そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
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『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

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オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。

 

 

 

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マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
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