ストレスを上手く受け入れ、人間を強くし成長させる方法

 

 

スタンフォードのストレスを力に変える教科書

 

ストレスは敵だと考え、ストレスは有害だと述べてきた健康心理学者のケリー・マクゴニガルは、最近の研究結果から『ストレスは役に立つから、なるべく受け入れて利用し、うまく付き合っていく必要がある』という考え方へ大きく転換しました。
そして、ケリー・マクゴニガルの著書によって、世界のストレスの捉え方が大きく変わりました。

ケリー・マクゴニガルは、研究結果から、「人はストレスだけでは死なない」ということがわかり、更にストレスを受け、ストレスは健康に悪いと思い込むと死亡のリスクが高まるという結論に達しました。

本書を読み進めていくと、自分が若い頃、ケリー・マクゴニガルが示すようにストレスとうまく付き合っていたなと感じるところがあります。
現在のようにストレスは悪いと決めつけている状態ではなく、ストレスという言葉自体存在せず、厳しい状態と上手く付き合いながら、バネにして乗り越え成長していこうという考えがあったからだと思います。

 

 

スタンフォードのストレスを力に変える教科書
スタンフォードのストレスを力に変える教科書

 

 

タバコの警告表示は逆効果

 

ストレスに関する捉え方が大きく転換することによって、いままでのやり方も見直す必要が出てきます。
たとえば、タバコのパッケージにある警告表示の効果の判定が変わります。多くの医師は、警告表示を見た喫煙者は、タバコを吸いたい欲求が収まって、禁煙したくなるだろうと考えます。

ところが、ケリー・マクゴニガルは、警告表示は逆効果をもたらす場合が多いといいます。パッケージにある警告表示や病院のベッドで死にかけている肺がん画像を見せられると喫煙者はかえって猛烈にタバコを吸いたくなってしまうと書いています。

理由は、画像によって恐怖に襲われ、不安な気持ちを落ち着かせるために、タバコを吸うため、恐怖を感じれば禁煙につながる行動をとるはずという医師の予想に反した行動をとってしまうからです。

 

 

マインドセット

 

マインドセットをするだけで、ストレスと上手く付き合いながら、プラスの方向の行動をするようになります。
マインドセットは、難しいものではなく、「ストレスにはよい効果がある」ことを話し、ストレスを認識し、受け入れ、利用する話によって、マインドセットが完了します。

マインドセットによって、ストレスと上手く付き合うことができるようになり、成長のバネにすることができる実験結果を紹介しています。
そして、この効果は継続すると著者はいいます。

ストレスの捉え方によって、いい方向へも悪い方向へも進むものであり、ストレスと上手く付き合うと成長できると捉えると、ストレスはプラスに作用します。

 

 

ストレス反応は物事に対応する身体の準備

 

ケリー・マクゴニガルは、ストレスを次のように説明します。
心臓がドキドキしたり、呼吸が深く早くなるストレス反応は、警戒態勢をとって瞬時に行動できるように身体全体のエネルギーを結集させる反応として捉えています。
ストレスを感じると人間は、呼吸を深く早く行い、たくさんの酸素を心臓へ届け、心拍数の上昇によって酸素と脂肪と糖が筋肉と脳へ運ばれるようになります。
このストレス反応は、目の前の問題に立ち向かうための準備を整える身体の反応です。
更に、ストレスによって生じるエネルギーは、行動を促すだけでなく脳を活性化させます。
アドレナリンの作用で感覚が研ぎ澄まされ、瞳孔が大きく開き光を取り込み、聴覚が鋭くなります。

脳は情報を迅速に処理するため、注意力が増し、重要でない事柄は意識から外れるようになります。
アドレナリンやテストステロン、ドーパミンなどの脳内化学物質が分泌されるため、自信と力が湧いてきます。目標達成意欲と気分を高揚させやろうという意欲が湧いてきます。

危険がない場合、身体が戦いの準備をすることがないため、チャレンジ反応という力が湧いてきて、プレッシャーがかかる状況でもやるべきことをやれるようになります。

ストレス反応が起こると、力が湧いてくるだけでなく、人とのつながりを求める気持ちが強くなります。この反応も自然に起こるものだと受け入れることによって、プラスへ転換していきます。

 

 

ストレスにより人間は成長する

 

大変なことが起きた時、身体と脳はその経験を学びます。これを「ストレス免疫」といい、「ストレス免疫」は、脳のためのストレスワクチンのようなもので、人間をストレスに対して強くさせます。

ケリー・マクゴニガルは、ストレスと生きがいは強く結びついており、ストレスのない退屈な生活では、充実感が得られず死亡リスクを高める実験結果を示しています。
充実感のある人生は、ストレスと上手く付き合うことによって得られることがここでもわかります。

最新の研究結果では、ストレスは、人を賢く、強くし、成功へ導くことがわかりました。
そして、人はストレスの経験から学び、成長することができ、更に、勇気や思いやりを持つことができると著者はいいます。

一読の価値のある本です。

 

 

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本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

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『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

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オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
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