小さい時から、霊関係のテレビ番組を見ていると会社から帰ってきた父親が、霊なんか存在しないし、くだらないので見てもしょうがないと言いました。毎回、アー怖いと言いながら怪談を家族で怖がって観ていたりしても、父親が帰ってくるとチャンネルを変えていました。父親は、霊の存在を全く信じていないし、嫌いなんだなと思っていました。
父親は、終戦後、南洋諸島へ行きリン鉱石を掘る仕事をしていました。
そのせいか、小さい時から、終戦直後の日本軍と米軍との激戦地のミンダナオ島や南洋諸島で何カ月も過ごしてリン鉱石を掘っている時、パイナップルを腹いっぱい食べたり、ヤシガニが満月の夜何千匹も道を歩いている光景を見た話を色々聞きました。
設備は車両を含みアメリカから提供を受け、牽引車両にトレーラーを5台つなげてリン鉱石を運搬している車の運転は腕がいるんだという面白い内容を聞くのが楽しみでした。
ただ、南洋諸島に関する戦記や記録の本がとても多いのがなんでかなと感じていました。
戦史を本格的に学び、南洋諸島の戦闘についても父親と会話ができるようになると、戦闘の話の他に現地での多くの体験について話をしてくれるようになりました。
激戦地の南洋諸島では、着上陸作戦をする米軍を迎え撃った日本軍に破壊された艦船や車両などがそのまま放置されている状態であり、壊れて残置された戦闘用車両から部品を取り外して、リン鉱石運搬車の修理部品に使っていた話を聞きました。
本当に戦闘直後に現地に行っていたのを初めて知りました。
「激戦地だから、不思議なことが多かったんだよ」とある時、話し始めました。
毎晩、米軍が使っていたバラックで寝ていると、遠くから隊列を組んで行進しているような多くの人間の足音が聞こえてきて、その靴音は終戦までに自分が履いていた軍靴と同じ軍靴特有の足音であり、建物の周りを歩き続けている音が聞こえた。
気になって外を見ても誰もおらず、少し経つとまた大きな音で歩き始める。銃剣が歩くたびに当たる音も聞こえていた。これは尋常じゃないなと感じることが次々起こったと、話が続きます。
毎晩、決まった位置のベッドで寝ている者が、首を絞められて苦しむのが続き、慰霊塔を建てることになった。軍靴は、多くの日本兵が抵抗し、米軍によって壕をブルドーザーで塞がれて大量の戦死者が出た壕から出発することがわかったので、その壕の前に慰霊碑を建てることにした。
全員が、慰霊碑の前に整列して鎮魂の儀式を開始した瞬間、壕の中から、軍靴の今まで聞いたことがないような大きな音が聞こえ始め、その足音は慰霊碑の方に進んできて、慰霊碑の周りを廻り始め、少し経つと壕の中から物凄い勢いで突風が吹いてきてその風が慰霊碑に当たり空へ上がって行った。
これ以降、何も起こらない夜になった。というような体験を各島で味わったんだよ「不思議だね」と言いました。
各島では、ボール大の火の玉がよく飛びまわっていて、ゆらゆら動いたり、猛スピードで動いたりしていた。といくらでも体験談が出てきます。
私が小さい時は、まだ強烈なインパクトが残っていて、心の中で整理ができておらず、触れれる状態ではなかったことを、この時理解しました。
インパール作戦では、補給物資がなく死の行軍が始まったのが有名です。この作戦に参加した叔父は、通常の体重80㌔から、山中を歩き海岸へ出て脱出する時は40㌔までになっていたとのことでした。
海岸へ向かって脱出している時、海まで行けば生き延びられることだけを心の支えとして病気や飢えと戦っていた戦友が、次々倒れていくが、死んだ戦友が自分達の部隊の後ろを歩いてついてくる気配があり、薄い影のようにいるいつも後ろにいる感じがした。
もうダメかという状態で、海岸が見えた時、後ろについてきた死んだ戦友のうすい陽炎の様なものが、嬉しそうな顔をして両手を上げて歓声をあげながら自分達を追い抜いて海に消えていった。とポロっと夏の静かな日に話してくれました。
話をした人は、実際の現場で体験した厳しい情景も時間が経つにつれて少しずつ和らぎながら、自分の心の中で整理されてきたのだと思います。
自分が話をしっかり受け止められる人間に成長した時、静かに語り、人間について多くのことを学ぶことのできる貴重な話を伝えてくれたのだと思います。
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