『石橋を叩いて渡る』という言葉があります。とても頑丈にできている石橋を、叩いて安全性を確かめて渡るという意味ですが、石橋を叩いている人は、最初から石橋を渡る意思がない人で、慎重過ぎる人や臆病な人である意味もあります。『石橋を叩いて渡る』人は、行動を起こす時、迷いが生じたり、不安感に支配され、臆病になってしまい、何度も何度も石橋を意味もなく叩いているのが常態となり、いつまでたっても行動を起こせない人だと思います。
行動を起こさないで点検だけに終始している癖がついてしまうと、行動を起こすこと自体が怖くなっていき、自分の世界から出てこなくなってきます。
まず、渡るという意思、行動を起こすという意思をが必要となります。
『いつ出発するのか』、『どこから出発するのか』よりも大事なことは、『とにかく出発する』ことです。迷っている時間があれば、どのようにすれば上手くいくかを考え、準備を進める時間に使うべきです。
行動を起こせなかったり、やりたいことが見つからない場合、「情熱をもてるものを見つけよう。やりたい仕事を見つけよう」とアドバイスする人がいますが、言うのは簡単ですが、実際には、アドバイスにはなっていません。
それができるのであったら、悩んだり不満に感じる人はいないからです。何に情熱をもてるか探すのは大変だから困っている状態なのです。
『何に情熱をもてるか』の答えを見つけることは難しくても、『情熱のありかをすでに見つけた人に会う』ことは、比較的簡単だと思います。『すでに情熱のありかを見つけた人』は、多くのアドバイスを与えてくれると思います。
しかし、ドンピシャの答えをもらうことはできないでしょう。人それぞれに情熱のありかが異なるからです。探し方を知ることによって、探すという行動が始まり、情熱の扉を見つける一歩になります。
情熱は、もしかしたら、意外と身近にあり、自分のことを中心に考えていた思考から、外の世界へ視点が切り換わり、人や地域に役に立つことなどへ思考が広がっていくと、クロスワードパズルのピースが一つ一つはまり始め、「そうだったんだ。本当はこれをやりたかったんだ」というものが見えてきます。
見えてきたら、心に情熱という燃料をどんどん詰め込めば、機関車は動き始めます。
そして、この過程は、人間的に成長している状態でもあります。
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そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。
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に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。
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