現在、内外情勢の変化、市場の変化、科学技術の進歩など、動きが加速しています。企業は、進化をしていかなければ、新たな環境の中で重力の影響によって物が落とていくのと同じように、衰退していくようになりました。ただ、同じことをを繰り返しているだけの企業は、より劣化が激しく、生き残ることができるかどうかの危機に直面する環境になってきました。
多くの企業、組織が改革を進めています。
組織改革は、「組織の変更」とともに、「配置する人の入れ換え」や「業務の見直し」を行い、新たな態勢を作り上げていきます。しかし、これで本当に新たな態勢を作ることができるのでしょうか。
組織改革は、「組織の変更」、「配置する人の入れ換え」、「業務の見直し」を行った時点で、そこまでの長い道のりを乗り越え改革を終えた充実感と満足感で一段落してしまうところがあります。
最初の1か月の間、社員は新たな態勢になった緊張感と早く業務を軌道に乗せようとするので、変更に伴う問題点の改善はありますが、これといった問題は発生しません。
しかし、その後、改革を元へ引き戻す引力が、大量に発生するのです。
人間は、今まで行っていた慣れ親しんでいた業務のやり方、仕事をする場所から環境が変化した場合、ストレスを感じるものです。プラス新たな業務のやり方を覚えなければならなかったり、業務システムを使えるようにしなければならないとなると、今までよりも業務量が安定するまでどうしても増えます。
日々の業務に追われている社員は、改革をしなければ、このような大変な状態にならなくて済んだんではないかと感じてしまいます。(なぜ改革が必要なのかは別にして)
慣れていないので業績も上がりにくい状態が続くとなおさらです。特に、年齢の高いメンバー(ご意見番、影響を与えるメンバー)ほど環境の変化に対してネガティブに反応する傾向があります。今までの豊富な知識と経験を使えなくなるところも大きな痛手になります。
2カ月を過ぎると、当初の緊張が解け少しずつ気が緩み、事故が発生するようになります。事故が発生すると、その対応のため後ろ向きの業務量が発生します。なぜか不思議と、事故が続いておこるものです。
さらに、最も厄介な問題は、改革を行うことによって、今まで隠れていた問題が明るみに出てきて顕在化することです。
今まで問題になっていたことを改革によって改善した思っていると、新たな問題が次々に出てくるのです。
改革によってベールを開くとその下に、今まで見えなかった「根本的な問題」、「ひずみ」、「ねじれた人間関係」などが現れ、問題点として動き始めます。いろいろな問題がこれでもかと出てきて、偶然なのか、改革を行う組織への挑戦ではないのかと思うほど、表、わかりにくい裏の部分で発生します。
健在化した場合、最大のブレーキとなるのは、今まで会社を先頭になって牽引してきたメンバーが、改革によって新たなステージへ進んでいるのに、意識改革ができていない時です。
今まで、先頭で引っ張り影響力の大きな人物が、引き続き会社を牽引していこうと頑張ろうとするのですが、ステージが変わってやり方も考え方も変わっているのに、従来の要領で業務を行うので、改革の屋台骨が崩れる状態になるからです。
この時に必要となるのが、リーダーの強い意志、主要メンバーの団結、改革を止めない推進力です。
このことについては、機会を捉えてお話したいと思います。
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