インストラクターの戦闘技術と心構え

インストラクターの戦闘技術と心構え

 

 

戦闘技術の核となるインストラクター

 

第40普通科連隊では、日々「誰が強いのか、何をすれば強くなれるのか」を合言葉に全員で実戦に強い部隊を目指しています。戦闘技術を高め、勝つために、例外を作らず多くの事を積極的に吸収し、変化に強く、成長を続けることが重要であると考えました。

自分達40連隊は、部隊・隊員ともまだ発展途上の段階であること、高い価値観を持ち、高い吸収力と定着度により成長しなければならないところからのスタートです。

新しく、本物の戦闘技術は、部外のインストラクターに伝授してもらい、強い、進んでいるといわれる部隊があれば、海・空自衛隊を含む他の部隊へ赴いて学び、吸収をしました。

高度な戦闘技術を迅速確実に吸収し、素早く隊員へ普及するため、40連隊独自の戦闘技術・戦法を開発普及するために、各インストラクターを設定することにしました。

部外インストラクターから直接学び高度な戦闘技術を吸収して、最高レベルの戦闘技術を持っているインストラクター、中隊内の隊員へ普及を専門に行うインストラクター、各部隊へ赴いて戦闘技術を学び40連隊バージョンに作り変えて普及するインストラクター、40連隊独自の戦闘技術・戦法を考え出して普及するインストラクターがいます。

 

 

誰もがインストラクターになるものを持っている

 

戦闘技術は、格闘、射撃、スカウト、火力誘導、狙撃、偵察、爆破、ロープ、CQB、体力管理などに区分し、それぞれの分野に専門のインストラクターを設定しました。

格闘といっても、徒手格闘、マーシャルアーツ、ナイフ格闘、銃を使用した格闘に区分され、それぞれ区分ごとにインストラクターを設定したので多くのインストラクターが存在します。

このため、得意な分野や経験者、努力により実力を付けた者が、階級関係なくインストラクターになれるようにしました。陸士長もインストラクターで部隊に教育をする者もいました。

各戦闘技術は、レベル分けをしました。S(インストラクターレベル)、A(実戦で使えるレベル)、B(部隊行動で足を引っ張らない程度にできる)、C(要演練レベル)に区分して、全隊員の戦闘技術をデータ管理をしました。

作戦行動をとる時、ロープ、スカウト、CQBをSクラスで、爆破をAクラスの隊員をパソコンで検索すれば、人員がピックアップできるようにし、作戦に応じて、人員を選考できるようにするとともに、誰とでも組んで戦えるように訓練を行います。

レベル通りの実力がなければ、作戦間本人が大変な目に合い、更に、部隊や同僚が危険な状態に陥るため、レベル判定は、隊員自らが厳格に行います。

 

 

インストラクターの心構え

 

戦闘技術は、勿論重要ですが、インストラクターは人間性がとても重要となります。高い価値観がなければ成長が望めませんし、今の状態に満足してしまうならば先はありません。最低、ライバルは昨日の自分というぐらいの意識が必要です。

インストラクターの成長と戦闘技術の向上イコール部隊の成長と強さに直結するからです。インストラクターのレベルアップが止まった時点で40連隊の成長が止まるものと、隊員全員が認識して進みました。

NHKのプロフェッショナルという番組で、「プロフェッショナルとは」と問うところがいつも好きで見ています。ある人が、「プロフェッショナルとは、常にプロフェッショナルを目指し続けている人です」と答えた言葉が、「インストラクターとは」と重なります。

 
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40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
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本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
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『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
 人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
 読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
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オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
 日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
 オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。

 

 

 

オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~
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マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
 本書により、マット飼育のコツを積み上げ、皆さんの目指すオオクワガタを作出して頂ければ幸いです。

 

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2 Comments

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