人間の行動は、もしかしたら、小説よりも変化に富み、予測できないものではないでしょうか。
日常の中に、そこに生きる人の息遣いや心の動きが感じられます。多くのことを短期間に進めていった連隊長時代、それを上回る数多くのエピソードを体験しました。
私は、過去の記憶というのは、だんだん薄れていくものだと思っていました。しかし、40連隊長の時に経験したことは、いくらでも甦ってくるから不思議です。多分、毎日全力で走りながら、考え、行動し、修正しながら前に進み続け、限界に挑戦していたからかもしれません。今思えば、信頼の絆で強く結ばれた仲間と限界へ挑戦し続けた、人生の中でも最も濃縮した2年半でした。
40連隊シリーズは、訓練中心に、隊員一人一人の頑張りとチームワークによって強さを獲得していく姿を描いたものです。その時感じたことは、組織というものが人によって構成されており、思った通りに動かなかったり、予想以上の効果がでたり、まるで生き物みたいだということです。
人は、毎日色々なことを経験しながら、小さな喜びを感じたり、大きい事業を成し遂げたり、大変な目にあったり、感謝したりしながら組織を動かしていきます。
しかし、その熱い息づかいと行動は、正史に残る訳でもなく、記録にも残りません。これらを『連隊長の日常』としてエピソードをまとめたものです。
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