野外や演習場の訓練は危険がつきもの

野外や演習場の訓練は危険がつきもの

 

 

マムシに注意

 

最初の勤務地は、京都の宇治市で、毎週京都と奈良の名所旧跡を同期と車で訪ねていました。京都は盆地で、30分も車で走ると自然がいっぱいの土地です。2月頃に少し車を走らせると、橋の中央にイノシシが吊るされて血抜きをしている光景を見ることができます。また、蘇我入鹿の首塚や石舞台の近くの甘樫の丘に六月頃行くと青大将や黒いカラス蛇などが結構いて、蛇を見た家内が、「キャー」と言って蛇から逃げた側溝の近くにまた蛇がいて、「ギャー」とまた反対の側溝近くに逃げると縞蛇がいる状態で蛇の濃い地域です。

演習場にも至る所にマムシ注意の看板が出ています。演習場内で行動する訓練をすると数回はマムシを見つけ、レンジャー出身の隊員達は、先がY状になっている棒で頭を押さえて捕獲します。

水の中で1カ月間汚物を吐かせた後マムシ酒にするからです。捕まえたマムシを3ℓの水を入れる容器に入れて蓋をしたりして演習場では保管します。

ある時、容器をクルクル回したらマムシは目が回るかという馬鹿げた発想で容器をグルグル回していると、容器の蓋が取れてマムシが顔を出して手を狙っているのがわかりました。

「手が危ない」と皆が叫ぶと、最初はニコニコしていた先輩がピースサインを出していましたが、皆が蓋蓋という声で容器を見た瞬間、マムシが同時に飛び出し噛みつくところを手から放して皆のほうへ容器を投げて難を避けることができました。

また、普通蛇は尻尾の先を持つと持っている手まで首を上げることができませんが、マムシは腹筋が強くて噛まれてしまいます。容器から顔を出したマムシも腹筋を使い手を狙っていました。

山を歩く時、2番目に歩く人がマムシに噛まれる確立が高いといわれています。先頭の人が、マムシを踏んでしまうと、マムシは頭をもたげて攻撃しようとします。

その時に2番目の人が通るのでガブッとやられるという事です。私も2番目を歩いている時、先頭の人がマムシを踏んで頭を上げようとしたマムシをもう一度踏んで難を逃れたことが数回あります。

休憩のため、座る場所の点検もマムシに噛まれない重要な動作となります。ちなみにマムシは胎生です。

 

 

人の大きさの火柱と浦島太郎

 

幹部初級課程の時の小隊が行う防御訓練をしている場面で、私は小隊陸曹役をしていました。小隊陸曹は小隊長が親父なら、小隊陸曹は母親役で色々なところに気を使わなければならない職務です。

夜間敵が攻撃してきた時の対応要領を何度も訓練した後、通信機の点検を行っていると南の方向の3分隊の地域で人の大きさの炎が上がり、敵の襲撃かと思って対処の態勢をとろうとすると、テントが爆発したと報告がきました。

すぐに現地へ行くと、爆発したテントの中から、眉毛が燃えてなくなり、髪の毛が爆発した状態の浦島太郎が二人がでてきました。

この二人は、テントの中で、ラーメンを作っているうちにバーナーの燃料が無くなり、交換して使用しようとしたところ古いボンベから残ったガスが放出されていて、テントという閉鎖空間に充満したところで、煙草に火を付けたため爆発しました。

喚起のよいところで使用するように皆さん心掛けて下さい。一カ月間彼らは、ミイラのように顔に包帯を巻いて直射日光を避けるために、サンバイザーをかぶり行動することになります。

 

 

夜間大軍に撃ちまくる歩哨

 

小隊朝時代、必ず敵が攻撃してくる大事な経路で防御している時、朝から敵の攻撃を受け続けながらなんとか陣地を確保している状態でした。

夜間は、多くの敵の斥候と攻撃があると考えて、歩哨を各場所に配置して態勢をとっていると、夜の12時頃歩哨が連発で射撃を開始しました。

連発で撃つという事は、大きな部隊が来たことを表す合図でもあります。

急いで、現場に行ってみると、「小隊長、1個中隊規模(100人)の敵が目の前の道路を渡り展開中です。一部は木の上に登りこちらを警戒しながら馬鹿にしたように木を揺さぶります」と報告を受けました。隣で歩哨が、「また、道路を横断している」と叫びながら小銃をぶっ放しています。双眼鏡で見ていると何か小学生程度の大きさのような感じがします。

木に登って威嚇行為をしている敵を月明かりを利用して確認すると、敵部隊は、サルの大軍であることが判明しました。

「間違えました」という隊員へ「いい練習になったので本番頼むよ」というと、「今度はきっちり決めます」と返ってきました。

ちょうど栗林のいっぱい栗が落ちているところに防御線を張り、おまけに隊員達がお土産用にかなりの栗を拾ったので、サルにとっては目の上のたんこぶだったのでしょう。

 

 

 

 

【kindle本が出ました】

 

本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめり込む姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術

 

『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
です。

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準

 

『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ若い隊員が成長していく姿には、若い人達や人材育成に関する多くのヒントがあると思います。

人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。

読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

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