M16自動小銃にスコープを装着したスナイパーが、ソ連全盛期の冷戦、東西ドイツに分断されている時代から現代まで主人公として活躍する劇画があります。
狙撃を行う一瞬のチャンスを作るために、入念な段取りをしながら一つ一つ相手を追い詰めていく場面は迫力があります。
この劇画の凄いところは、1話の物語の中に主人公が一画面出てくるだけで終了する場合や、一度も主人公が出てこないで終了したりするところです。
しかし、一瞬の狙撃の機会を狙うために展開していく内容は、どんどんそのストーリーへと引き込まれていきます。そして、主人公が、狙撃までの段取りを一つ一つ詰めていき、一瞬の機会を冷静・確実に捉えるクライマックスへ向っていきます。
存在すらつかめず、最高レベルの狙撃を行うスナイパーは、倒すことが困難な最強の存在であるというイメージがあります。
実際のスナイパーの行動は、狙撃任務だけではなく、多くの役割を果します。
スナイパーは、その存在自体を秘匿し、監視や情報収集、火力誘導を行うことによって任務を達成します。
多くの能力を必要とするスナイパーについて、本書は、「スナイパーに求められる能力と適性」、「訓練」、「実戦のイメージ」、「スナイパーの装備」、最後に「自衛隊に対する提言」という内容でまとめたものです。
米軍に関係する事項については、『二見龍レポート#6 実戦と戦場 -元米陸軍大尉飯柴智亮との対談』に登場して頂いた飯柴智亮氏のコメントを関係する章で掲載しています。
スナイパーに関する米軍の状況を垣間見ることができ、それぞれの内容の捕捉や日米の状況を確認できると思います。
二見龍レポート#13 自衛隊の元狙撃教官が語るスナイパーの育成方法
二見龍レポート#14 照井資規が語るコンバット・メディックの最前線