40連隊に着任した時、会った瞬間、気になる男がいました。その男は中隊長でした。彼は、無駄なぜい肉をそぎ落とし、レンジャー隊員と同じ状態の体を維持し、獲物を狙う孤高のオオカミのような雰囲気を漂わせていました。
「彼は何を求め、この状態と雰囲気を維持しているのだろう」という疑問が純粋に浮かび上がりました。
明らかに普通の幹部とは異なる匂いを感じたのです。これが、FTCとの戦闘で死闘を繰り広げた馬場中隊長との出会いでした。
彼は、狙った獲物を必ず仕留める男でした。冷静で、青白い炎で敵を焼き尽くすタイプです。戦闘を行えば、手強く負けはありませんでした。
馬場中隊長は、CQB、スカウトに精通し、40連隊の戦法『ターゲティング』、『LRRP』を自在に操ることのできる『40連隊に戦闘技術の負けはない』を実践する人物でした。
馬場中隊長は、常に実戦における強さをストイックに追求していました。その姿は、40連隊の多くの隊員を感化し、彼らの行動を変えていきました。感化を受けた隊員は、本物の強さを求め、自らの能力向上を行いながら、チャレンジを続けていったのです。
そのような馬場中隊長率いる40連隊の増強普通科中隊とFTCとの戦闘は、両者総力を尽くした名勝負となりました。
今回の『二見龍レポート#10 FTCとの戦いを現地指揮官と振り返る』は、し烈な戦いの裏舞台を記述する目的で作成致しました。
そして、もう1つ重要な目的がありました。それは……。
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